2008 Fiscal Year Annual Research Report
Cl^-分布変化とGABA_A受容体を介した各種ストレスによる皮質神経回路の発達異常
Project/Area Number |
19390058
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
福田 敦夫 Hamamatsu University School of Medicine, 医学部, 教授 (50254272)
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Keywords | クロライドトランスポーター / 皮質板細胞 / 母体ストレス / GABA細胞 / 細胞移動 / タウリン / 皮質形成異常 / てんかんモデル |
Research Abstract |
1. Clomeleon遺伝子導入による移動細胞の[Cl^-]_i測定:[熊田] Clomeleon遺伝子を導入したグリオーマ細胞はClomeleonの蛍光を発しながら移動するのを観察した。Cl^-変化に応答したClomeleonのFRET効率の変化があたので、移動過程とCl^-ホメオスタシスの変化を同時にしかも時空間的に解析出来た。NKCC1の阻害剤であるbumetanide添加によりグリオーマ細胞の[Cl^-]_iを低下させると、移動速度が上昇することを見出した。 2. shRNA法を用いたインビボでのCl^-トランスポーターknock-downモデルの作成:[福田、熊田] NKCC1遺伝子の発現がknock-downされた細胞を蛍光で同定できるGAD67-GFP knock-inマウスのインビボモデルを作製するため、マウスnkcc1のsiRNAを作製した。細胞株に新たに得たマウスnkcc1遺伝子と共発現させ、single-cell real-time PCR法でsiRNAの効果を判定した。単一細胞レベルのmRNAを用いてもNKCC1遺伝子の定量的な解析ができたので、knock-downの効果とNKCC1減少による[Cl^-]_iの低下をパッチクランプ法で解析することが可能となった。 3. KCC2強制発現インビボモデルの作成:[福田] 胎齢15.5日でFlag-KCC2とEGFPのcDNA plasmidを電気穿孔法で遺伝子導入して移動細胞にKCC2を強制発現させ、胎齢18.5日と、生後7日の大脳皮質細胞に対して、パッチクランプ法を適用してE_<GABA>を記録した。胎齢18.5日におけるKCC2強制発現細胞はリン酸化阻害剤(スタウロスポリン)の投与によりE_<GABA>は過分極側へシフトしたが、生後7日齢では変化なかった。チロシン脱リン酸化阻害剤(5酸化バナジウム酸)では、胎齢18.5日、生後7日齢いずれのKCC2強制発現細胞のE_<GABA>にも影響を与えなかった。すなわち、細胞移動期特異的にKCC2機能がリン酸化により抑制されていた。
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Research Products
(18 results)