2008 Fiscal Year Annual Research Report
ヒスタミン系に残されている未解決の分子・神経薬理学的課題へのアプローチ
Project/Area Number |
19390061
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
谷内 一彦 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 教授 (50192787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉増 敦朗 東北大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (90302091)
櫻井 映子 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (90153949)
渡邉 建彦 東北大学, 大学院・医学系研究科, 名誉教授 (70028356)
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Keywords | ヒスタミン / ヒスタミンH1受容体 / ヒスタミンH4受容体 / プロテオミクス / PET / 性差 / small GTPase Rho / Rac |
Research Abstract |
ヒスタミンH4受容体のカルボキシル(C)末端の機能と細胞内情報伝達機能について、プロテオミクスの技術を導入して研究を行った。H4受容体C末端領域の結合タンパク質の同定をおこない、ヒスタミンH4受容体C末端に結合した蛋白質として、初めて、small GTPase Rhoファミリーに属するRac1およびRac2を同定した。Rac1およびRac2FとH4受容体はin vitroで直接結合した。Rac1およびRac2存在下において、H4受容体にリガンドが結合することにより、Racが活性化されることが初めて明らかとなった。H4受容体およびGタンパク質を介して、Racは活性化されると同時に、Gタンパク質を介さない経路で不活性化され、制御されている。H4受容体を介したRac調節は、ヒスタミンに対するケモタキシス調節に関与する可能性があることが明確になった。 また臨床研究として、ヒトのヒスタミン神経の性差について[^<11>C]Doxepinを用いたPET臨床研究を行った。正常男性・女性被験者(20歳台)のそれぞれ12名に十分に説明を行い、同意を得た。[^<11>C]Doxepin投与後にPETカメラにて脳を観察して、ヒスタミンH1受容体を測定し、SPMを用いて解析した。脳のどの部位でも女性が男性よりH1受容体量が少ない部位は無く、帯状回、前頭葉、側頭葉など大脳皮質を中心に10-20%ほど女性はH1受容体量が多かった。さらに神経性食欲異常症では海馬において高いH1受容体量を示した。
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Research Products
(5 results)