2007 Fiscal Year Annual Research Report
ドーパミン関連神経精神疾患モデルにおけるtPAの動態と機能解析
Project/Area Number |
19390062
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山田 清文 Nagoya University, 医学部附属病院, 教授 (30303639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 拓 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (10377426)
溝口 博之 名古屋大学, 環境医学研究所, 助教 (70402568)
田熊 一浩 金沢大学, 自然科学研究科, 准教授 (90289025)
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Keywords | 組織プラスミノーゲン活性化因子 / ドーパミンD1受容体 / プロテインキナーゼA / メタンフェタミン / 覚せい剤精神病 / プラスミン |
Research Abstract |
本研究では、統合失調症やパーキンソン病などのドーパミン関連神経精神疾患の動物モデルを作製し、その病態生理・病因に組織プラスミノーゲン活性化因子(tPA)-プラスミンシグナルが関与しているかどうか検討する。さらに、神経精神疾患に対する治療薬の効果や副作用にtPAが関与しているかどうかについても検討し、tPA関連分子を標的とした新しい神経精神疾患治療薬の薬理学的コンセプトの確立を目指す。 平成19年度は、脳内におけるtPA放出の制御機構について、in situ zymography法を用いて解析した。ドーパミンD1受容体刺激により側坐核においてtPA放出が誘発され、その反応はドーパミンD1受容体アンタゴニストおよびPKA阻害剤により拮抗された。したがって、ドーパミンD1受容体-PKAシグナルがポストシナプス側からのtPA放出に重要であることが示唆された。 さらに、メタンフェタミン(METH)を連続投与した覚せい剤精神病モデルマウスにおけるドーパミン神経伝達の異常にtPA-プラスミンシグナルが関与しているかどうか検討した。野生型マウスではMETH連続投与により側坐核におけるMETH誘発性ドーパミン遊離に逆耐性が観察されたが、tPA-KOマウスではドーパミン遊離の逆耐性現象は認められなかった。したがって、覚せい剤精神病モデルにおけるドーパミン神経伝達の異常亢進にtPAが重要な役割を果たしていることが示唆された。
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Research Products
(14 results)