2007 Fiscal Year Annual Research Report
中枢神経におけるグルタミン酸の時空間ダイナミクス可視化解析
Project/Area Number |
19390063
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
廣瀬 謙造 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 教授 (00292730)
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Keywords | グルタミン酸 / 中枢神経 / シナプス / バイオテクノロジー / 蛍光 |
Research Abstract |
本研究では、直接的にグルタミン酸の時空間ダイナミクスの解析を可能にするグルタミン酸イメージング技術を開発し、シナプス前部におけるグルタミン酸放出機構や放出されたグルタミン酸の運命を明らかにすることを目的としており、当該年度においてはイメージングに用いることができる高感度なグルタミン酸可視化プローブの作製を目指した。グルタミン酸可視化プローブは生理的な受容体のひとつであるAMPA型グルタミン酸受容体のサブユニットであるGluR2を改変することによって作製した。GluR2のグルタミン酸を結合するS1S2と呼ばれる細胞外領域にシステイン変異を挿入したリコンビナント蛋白質を大腸菌発現系にて取得し、SH基と特異的に反応する低分子蛍光化合物を結合させ蛍光性コンジュゲートを作製した。蛍光プローブはより明るく、かつ変化の大きいものが高精細・高感度なイメージングを実現する上で望まれる。そこで、多数のシステイン変異体と蛍光性化合物の組み合わせを試みた。グルタミン酸投与によって惹起される蛍光強度変化を指標にスクリーニングを行った結果、グルタミン酸により蛍光強度が十分に大きく変化するものを複数種類得ることに成功した。それらのうち、3種類のコンジュゲートにおいて神経細胞膜上に固定してもグルタミン酸投与に応答して蛍光強度変化が生ずることが確認された。さらに、これらのコンジュゲートを利用することによって、神経細胞を電気刺激した際にシナプス前部から放出されたグルタミン酸をイメージングすることが可能であることが明らかとなった。 一方、効率良く多数のシステイン変異体と蛍光性化合物を組み合わせるプロセス自体についても技術的改良を試みた。その結果、数日以内に200変異体を作製し、評価を可能にする実験系が完成した。
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Research Products
(4 results)