2008 Fiscal Year Annual Research Report
プロテインキナーゼCシグナル系路の異常による疾患の発症メカニズムの解明とその応用
Project/Area Number |
19390064
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
齋藤 尚亮 Kobe University, バイオシグナル研究センター, 教授 (60178499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上山 健彦 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 講師 (80346254)
白井 康仁 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 准教授 (60263399)
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Keywords | プロテインキナーゼC / 脊髄小脳変性症 / 神経変性 / カルシウム / 遺伝子変異 / パーキンソン病 |
Research Abstract |
PKCγのアミノ酸変異によって引き起こされる脊髄小脳変性症(SCA)14型の病態を明らかにするために、変異型PKCγの酵素学的特性について検討した。その結果、野生型PKCγが、刺激による一過性の細胞内Ca^<2+>上昇を速やかに抑制するのに対して、SCA14変異体のPKCγはその機能を欠損していた。この制御機構の欠損は、野生型PKCγでは刺激後、TRPCチャネルをリン酸化し、細胞外からのCa^<2+>流入を止めるのに対して、変異体は細胞膜に十分な時間存在できないため、チャネルのリン酸化ができず、細胞内のCa^<2+>濃度を適切に調節できないと考えられた。このような過剰なCa^<2+>流入がSCA14において神経細胞死を引き起こす1つの原因になっている可能性が示唆された。そこで、我々はSCA14変異体のPKCγを初代培養プルキンエ細胞に発現させたところ、凝集体の形成とともに、プルキンエ細胞の樹状突起の伸展やシナプス形成において異常が認められた。同時にSCA14変異体を発現するマウスを作製し、その行動異常を観察したが、生後6ヶ月までには明らかな行動異常を認めなかった。また、nPKC特異的な活性化剤の合成およびその特性について報告した。さらに、新規蛍光蛋白質monometric Kusabira Greenシステムを用いて、p40phoxの分子内結合ドメインの同定を行うとともに、p67phoxがPhagocytosisにおいてp47phoxからp40phoxに順番に結合パートナーを替え、異なる細胞内部位で活性酸素を産生することを示した。
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