2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19390073
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
渡邉 大 Kyoto University, 生命科学研究科, 教授 (90303817)
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Keywords | 行動シーケンス / 大脳 / 基底核 |
Research Abstract |
様々な動作の組み合わせから構成される複雑な行動シーケンスでは、シーケンスを構成する各動作コンポーネントの巧緻性とともに、それぞれの動作の順番、タイミング、反復回数といった時間情報が獲得、制御されなければならない。運動系中枢神経回路は、これらの時間情報を正確にコードした神経活動パターンを生成し、骨格筋を制御する。しかしながら、運動系中枢神経回路がどのようにシーケンス情報を獲得し制御するのか、その多くは不明である。Passeriformesに属する鳥類の発声器官は、哺乳類の運動系を構成する大脳-基底核-視床と相同な神経回路により制御されること、さらにその音声シーケンスがヒトの言語と同様に模倣学習のプロセスにより獲得されることに注目し、これらの鳥類の音声シーケンス制御をモデル系として運動シーケンス制御の神経情報について解析した。 鳥類の音声コミュニケーション行動を阻害しないように超小型の神経活動計測デバイスを開発し、有限状態文法的(finite state grammer-like)なシーケンス構造をもった音声を特徴とするbengalese finch (ジュウシマツ)の大脳から神経活動の計測・解析をおこなった。その結果、ある種の大脳投射ニューロンが、コンポーネントである個々の音素(syllable)だけではなく、音素の繰り返しや特定の音素配列と一致した神経活動を示すことを見いだした。すなわち、finite state grammer-likeな行動シーケンスについて、これらの大脳領域の投射ニューロンがシーケンス制御を担っていることを示唆する。
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Research Products
(4 results)