2008 Fiscal Year Annual Research Report
乳癌におけるストレス応答性アポトーシス誘導機能破綻の分子機構
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19390083
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
三木 義男 Tokyo Medical and Dental University, 難治疾患研究所, 教授 (10281594)
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Keywords | 乳腺発がん / DNA損傷修復 / 細胞死誘導 / c-Ab1 / 14-3-3 / shRNAライブラリー / TAF1 |
Research Abstract |
DNA損傷に関わる機構の破綻は、癌をはじめとする広範な疾患の原因となる。我々は、乳腺の発がん機構の解明を目的に、DNA損傷修復機構、細胞死誘導機構の解析を進めた。 1) DNA損傷におけるc-Ablチロシンキナーゼによるアポトーシス誘導の解析 c-Ablチロシンキナーゼは細胞質、核両方に存在するが、核内c-AblがDNA損傷により活性化し、アポトーシスを誘導することが知られている(Yoshida K, et al. Mol. Cell. Biol. 2002)。c-Ablの核移行には、14-3-3との解離が必要であり、MAPKスーパーファミリーの一つであるJNKによる14-3-3のリン酸化がその解離に重要な機能を果たしていることを明らかにした。c-Ablの14-3-3結合部位も同定し、結合に最も重要なスレオニン(Thr735)をリン酸化するキナーゼがTTKであることを明らかにした。また、TTKの発現はc-Abl依存的なアポトーシスを抑制することを示した。 2) DNA損傷におけるアポトーシス誘導関連因子の網羅的探索 DNA損傷におけるアポトーシス誘導に関わる新規遺伝子の網羅的探索を目的として、shRNA発現ライブラリーを用いたスクリーニング系を構築した。その結果、アポトーシス関連遺伝子の候補として32クローンを同定し、そのなかで最も細胞死誘導に関与している遺伝子としてTAF1という分子を見出した。TAF1は基本転写因子の中核をなす分子であり、そのアポトーシス誘導における機能解析を進めるために、マイクロアレイによる発現解析を行った。その結果、TAF1に制御されている分子群においてp27の発現が細胞死誘導に関わっていることを見出した。
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Research Products
(15 results)