2007 Fiscal Year Annual Research Report
熱ショック転写因子による炎症反応のネガティブフィードバック機構
Project/Area Number |
19390088
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
中井 彰 Yamaguchi University, 大学院・医学系研究科, 教授 (60252516)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 幸江 山口大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (60159978)
藤本 充章 山口大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (80359900)
|
Keywords | 熱ショック / 転写因子 / 炎症 / サイトカイン / マウス |
Research Abstract |
熱ショック転写因子HSF1は、温熱ストレス時の熱ショック遺伝子群の発現誘導を起こすだけでなく、正常な細胞の分化や増殖に関わるFGF、LIF、IL-6などのサイトカイン遺伝子の発現調節にも関与している。我々の研究から、熱ショック応答と免疫・炎症反応が協調的な制御があることが示唆されてきた。今回、HSF1による重要な炎症制裁とカインIL-6遺伝子の発現調節の分子機構をマウス胎仔繊維芽細胞MEFと腹腔マクロファージを用いて解析した。その結果、1)HSF1はIL-6遺伝子プロモーター上流にある熱ショックエレメントに構成的に結合しており、この結合がLPS刺激による最大の発現誘導には必要であること、2)HSF1欠損細胞ではIL-6遺伝子の転写活性化因子NF-κBや抑制因子ATF3のDNAへの結合が抑制されること、3)ヒストン脱アセチル化阻害剤やDNAメチル化阻害剤によって、HSF1欠損細胞でのIL-6遺伝子発現が回復すること、4)HSF1があることによって、ヒストン修飾酵素CBPやBRG1がプロモーター上ヘリクルートされること、5)制限酵素切断解析から、HSF1があることによってクロマチン構造が開いていること、が明らかになった。以上のことから、HSF1はIL-6遺伝子のプロモーター上流に結合することによって、クロマチン構造を変化させ、転写活性化因子や転写抑制因子の結合に影響を与えることによって、IL-6遺伝子の転写制御に関与するという新しい分子機構が明らかになった。
|
Research Products
(18 results)