2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19390093
|
Research Institution | Research Institute, Osaka Medical Center for Maternal and Child Health |
Principal Investigator |
和田 芳直 Research Institute, Osaka Medical Center for Maternal and Child Health, 研究所・代謝部門, 所長兼部長 (00250340)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渋川 幸直 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立母子保健総合医療センター(研究所), 研究所・代謝部門, 研究員 (90393264)
岡本 伸彦 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立母子保健総合医療センター(研究所), 研究所・代謝部門, 研究員 (30416242)
|
Keywords | 糖タンパク質 / 糖鎖合成異常症 / 質量分析 / ムチン型糖鎖 |
Research Abstract |
初年度に続き、上記の主題について血漿および細胞タンパクについてのアプローチを継続した。 特に、ヒト血漿中の主要なタンパク質であるIgA1,fetuin A,hemopexinについて、血漿から抗体によって精製し、トリプシン消化の後に独自法であるhydrophilic affinity法により糖ペプチドを濃縮し、マトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析法により、まず、糖鎖付加プロファイルを明らかにした。次に電子移動解離法により、糖鎖付加部位を明らかにしたが、研究の中で、糖鎖付加部位のみならず、付加率も同時に算定することができることを明らかにした。特に、IgA1ヒンジ領域においてムチン型I型コアがクラスター様に付加しているが、その付加の順序が従来ペプチドを基質としてリコンビナント酵素によって推定された順序と違っていることがわかった。すなわち、GalNAc転移酵素の酵素反応はその基質をペプチドに代用させて解析することでは真の付加機構を明らかにできないことがわかった。さらに、IgA1については、非侵襲試料である唾液にもIgA1が分泌されることから、唾液を開始試料として糖鎖分析をできることを明らかにした。 フコース付加率を解析する方法についての基礎的研究の成果を論文として発表した。得にコアフコースが糖タンパク質の機能すなわち糖鎖機能の鍵を握っているという最近の知見を微量試料について検証するための基本的な技術を確立できたと考えている。また、ゴルジへのフコース供給の先天的な欠損症であるCDG-IIcについては、この方法で診断できることを明らかにした。
|