2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19390097
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
倉橋 浩樹 Fujita Health University, 総合医科学研究所, 教授 (30243215)
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Keywords | 染色体転座 / 切断点 / 回文配列 / パリンドローム / 十字架型 / 非B型DNA / 染色体再構成 / 染色体構造異常 |
Research Abstract |
ヒト染色体転座t(11;22)(q23;q11)は、現在までに知られている中での、唯一の反復性非ロバートソン転座である。本研究代表者はt(11;22)の11番、22番両染色体の切断点にはpalindromic AT rich repeat(PATRR)と呼ばれるAT含量の多い回文配列が存在することを報告し、それが生理的な条件で十字架構造DNAの立体構造をとるためゲノムが不安定になることが本染色体転座の原因であることを提唱している。また、代表者は、健常人から得た精子を材料として転座特異的PCRを用いた実験によって、ヒト生殖細胞において新生t(11;22)が高頻度に存在することを報告した。本年度の研究では、t(11;22)転座の11番染色体側切断点にあるPATRRの欠失多型を詳細に解析した。そして、精子での新生転座の発生頻度が、この多型によって変化すること、十字架型をとりやすいPATRRアリルを持っている人ほど新生転座の発生頻度が高いことを報告した。また、欠失の断端と転座切断点との比較から、欠失と転座の発生はメカニズムが異なること、欠失にはDNA複製のエラーが関与していることを証明した。精子における新生転座の発生頻度が年齢によって変化しないことを発見し、この事実は発生メカニズムの仮説をサポートした。また、動物細胞を用いた転座発生のモデルシステムを構築し、PATRRによる転座が十字架型DNAを介していることを、DNAの立体異性体を用いて証明した。
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