2007 Fiscal Year Annual Research Report
タイト結合の機能細胞病理学-すきまの細胞生物学から治療への応用をめざして
Project/Area Number |
19390103
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
澤田 典均 Sapporo Medical University, 医学部, 教授 (30154149)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 隆 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (30260764)
千葉 英樹 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (00295346)
村田 雅樹 札幌医科大学, 医学部, 助教 (10404592)
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Keywords | タイト結合 / 糖尿病網膜症 / 鼻アレルギー / TSLP / claudin / Toll-like receptor / Ca吸収機構 / ビタミンD受容体欠損マウス |
Research Abstract |
1.血管内皮バリアについて 糖尿病網膜症は、糖尿病の重要な合併症の一つで放置すると失明に至る。糖尿病網膜症では、血液網膜関門の透過性亢進が初期から起こる。本研究では、血液網膜関門の透過性亢進がグリア細胞から分泌されるGDNFによって抑制されること、GDNFがRAR-alphaリガンドにより分泌が亢進することが明らかにした。このことは、糖尿病網膜症を早期に治療するあるいは進展を予防できること、網膜グリアが治療標的となりうることを示している。 2.上皮細胞バリアについて (1)小腸粘膜上皮細胞におけるタイト結合を介したCa吸収機構 Caは、約80%が小腸上皮細胞のパラセルラー経路を通過して吸収されるが、その分子機構については不明であった。我々は、ビタミンD受容体欠損マウスの小腸のタイト結合蛋白発現の解析と、ビタミンD依存性にCaを吸収することが明らかになっているCaco-2細胞を用いて、タイト結合蛋白claudin-2と-12が、Caのパラセルラー経路による吸収に重要な役割を演じていることを明らかにした。このことは、Ca吸収不良や骨粗しょう症の治療に貢献する可能性がある。 (2)ヒト鼻粘膜上皮細胞におけるタイト結合の制御機構 本研究では、まずhTERTを感染させることにより鼻粘膜上皮細胞を安定的に培養する技術を確立した。この細胞を用いて、タイト結合蛋白の発現、種々のサイトカインに対するタイト結合の反応や各種Toll-likeレセプター(TLR)のリガンドに対するタイト結合機能の変化を検討し、PKCによってタイト結合機能が亢進すること、TLR-2刺激でTSLPの発現が亢進することが明らかになった。またTSLPがアレルギー性鼻炎で発現が上昇していることを明らかにした。TSLPは樹状細胞の活性化に深く関与しており、これらの結果は、アレルギー性鼻炎の治療に応用できる可能性がある。
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Research Products
(29 results)