2008 Fiscal Year Annual Research Report
タイト結合の機能細胞病理学-すきまの細胞生物学から治療への応用をめざして
Project/Area Number |
19390103
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
澤田 典均 Sapporo Medical University, 医学部, 教授 (30154149)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 隆 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (30260764)
千葉 英樹 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (00295346)
田中 敏 札幌医科大学, 医学部, 講師 (30374250)
村田 雅樹 札幌医科大学, 医学部, 助教 (10404592)
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Keywords | 病理学 / 細胞・組織 / タイト結合 / 生体機能利用 / ヒト鼻粘膜 / 樹状細胞 / TSLP / サイトカイン |
Research Abstract |
本年度は、1.肝細胞におけるタイト結合蛋白claudin-2の役割、2.鼻粘膜におけるタイト結合について検討した。 1.肝細胞の毛細胆管周囲にはclaudin-1,-2,-3の発現が認められている。Claudin-1,-3は肝小葉内全体に発現しており、claudin-2は中心静脈周囲に局在が認められる。WIF-B9肝細胞株に、フェノバルビタール処置を行うと、claudin-2とoccludinの発現増加を認めた。そこでclaudin-2の毛細胆管形成における役割を検討するため、siRNAによりclaudin-2をノックダウンしたところ、毛細胆管形成が抑制され、シグナル伝達分子LKB1、MAPK、Akt、p38MAPKのリン酸化の亢進が認められた。このことはclaudin-2が関与するシグナル伝達が細胞極性を調節していることを示唆している。 2.サイトカインの鼻粘膜上皮細胞および樹状細胞のタイト結合蛋白への影響を検索した。特に樹状細胞の機能調節に関与するIL-7様サイトカインのThymic stromal lymphopoietin (TSLP)を中心に検討を行った。アレルギー性鼻炎の鼻粘膜では、正常鼻粘膜と比較して,TSLPの発現がmRNAおよび蛋白レベルで亢進していた。次に鼻粘膜上皮をTSLP高発現群と低発現群に分け、上皮内のLCA,CDllc陽性細胞数の計測を行った。TSLP高発現群では低発現群と比較して上皮内にLCAおよびCDllc陽性細胞が多数認められた。また培養鼻粘膜上皮細胞は、IL-1β/TNF-αおよびTLR2リガンドのP_3CSK_4処置により有意にTSLPの産生が誘導された。TSLP処理した培養鼻粘膜上皮細胞では、claudin-1,-4,-7,occludinの発現の増加、TERの増加、^<14>C-inulinの透過性の低下も認められた。さらにマウス樹状細胞株XS-52細胞に対してTSLPを処置したところ、claudin-7の発現が増加した。アレルギー性鼻炎患者の鼻粘膜上皮内において、CDllc陽性樹状細胸もclaudin-7を発現していることが免疫染色で確かめられた。
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Research Products
(20 results)