2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19390110
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
烏山 一 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60195013)
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Keywords | 好塩基球 / マクロファージ / 炎症 / 好中球 / GFP / 可視化 |
Research Abstract |
前年度までの研究で、IgE依存性慢性アレルギー炎症の責任細胞が好塩基球であることを明らかにした。本年度の研究では、好塩基球による慢性アレルギー炎症誘導機構を解明するために、各種サイトカイン、ケモカインならびにその受容体を欠損する変異マウスにおける慢性アレルギー炎症の有無を解析した。その結果、ケモカイン受容体CCR2欠損マウスでは、当初の予想に反して炎症が増悪することを見いだした。皮膚炎局所では、好塩基球の浸潤が正常に認められたが、マクロファージがほとんど蓄積しておらず、逆に浸潤好中球の著明な増加が観察された。野生型マウスの炎症巣では、古典的活性化マクロファージではなく非古典的活性化マクロファージの蓄積が認められた。このマクロファージを除去すると、CCR2欠損マウスと同様に、好中球の著明な蓄積をともなう炎症の増悪が認められた。Th2サイトカインが非古典的活性化マクロファージを誘導すること、活性化好塩基球がTh2サイトカインを分泌することがすでに知られている。したがって、好塩基球がTh2サイトカインの分泌によりマクロファージを活性化し、できた非古典的活性化マクロファージがアレルギー炎症を抑制するメカニズムがあることが強く示唆された。 生体内での好塩基球の数は極めて少なく、アレルギー炎症巣においても浸潤細胞の1〜2%を占めるに過ぎない。感染局所やアレルギー炎症巣への好塩基球の遊走・浸潤ならびに骨髄における好塩基球の発生・分化を可視化して解析するため、バイオマーカーとしてGFPを好塩基球のみに特異的に発現するマウスの樹立を試みた。BAC engineeringを応用して、好塩基球特異的遺伝子をGFPで置き換えたトランスジェニックを作製し、現在その発現パターンを確認している。
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Research Products
(43 results)