2007 Fiscal Year Annual Research Report
マウスを用いたDNAおよび遊離ヌクレオチドの品質管理機構欠損の分子病態解析
Project/Area Number |
19390114
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
土本 大介 Kyushu University, 生体防御医学研究所, 助教 (70363348)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中別府 雄作 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (30180350)
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Keywords | DNA酸化損傷 / 遊離ヌクレオチド損傷 / 遺伝子改変マウス / 細胞死 / 発がん / 神経変性 |
Research Abstract |
平成19年度は研究期間の初年度であるが、査読有りの一流国際学術誌において7報のオリジナル論文として研究成果を発表することができた。このうち市川らの論文はMTH1欠損マウス由来繊維芽細胞を用いて酸化ヌクレオチド分解酵素MTH1がミトコンドリア内のヌクレオチドプールを浄化することにより酸化ストレス下での細胞死を抑制していることを明らかにした。岡らの論文は同様の手法を用いて核ゲノムDNAとミトコンドリアゲノムDNAの各々における酸化がそれぞれ異なる細胞死を誘導すること、ならびに酸化グアニンDNAグリコシラーゼOGG1がこれらの細胞死を効率よく抑制していることを明らかにした。坂本らの論文ではアデニンDNAグリコシラーゼMUTYH欠損マウスでは自然および酸化ストレス誘導性の突然変異率上昇と、ヒト疾患と同様の消化管腫瘍の多発を認めることを報告した。Guikemaらの論文では、脱塩基部位特異的エンドヌクレアーゼ、APE1とAPE2がB細胞の免疫グロブリン遺伝子のクラススイッチ組換えにおけるDNA切断を行っていることを報告した。またこれらの論文報告以外にも酸化塩基による染色体組換えの促進、新規損傷ヌクレオチド分解酵素RS21-C6の生化学的解析、酸化損傷ヌクレオチドによる細胞死誘導、イノシン三リン酸分解酵素欠損マウス個体および細胞における心臓形成異常や染色体異常、ハンチントン舞踏病マウスモデルにおける核酸酸化損傷の蓄積と病態との関連などについて新たな知見を見出し、国内外の学会において発表した。
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