2008 Fiscal Year Annual Research Report
マウスを用いたDNAおよび遊離ヌクレオチドの品質管理機構欠損の分子病態解析
Project/Area Number |
19390114
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
土本 大介 Kyushu University, 生体防御医学研究所, 助教 (70363348)
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Keywords | DNA酸化損傷 / 遊離ヌクレオチド損傷 / 遺伝子改変マウス / 細胞死 / 発がん / 神経変性 |
Research Abstract |
DNA塩基除去修復酵素Apex2を欠損するマウスを用いて、Apex2欠損マウスの胴腺細胞ではDNA鎖切断が増加しておりp53応答性のDNA修復関連遺伝子群などの転写レベルの上昇が認められることを論文報告した。このことはDNA鎖切断の蓄積がApex2欠損マウスで認められる胸腺細胞減少および細胞周期異常の原因であることを強く示唆している。 酸化プリンヌクレオチド分解酵素MTH1と酸化DNA塩基除去修復酵素OGG1を二重欠損したマウスと野生型マウスを比較して、この二重欠損マウスの脳線条体がミトコンドリア毒3NP投与時に高い感受性を示し神経脱落を示すこと、さらに神経興奮毒カイニン酸投与に対して野生型マウスと比べて有意に持続性の激しい痙攣を示すことを明らかにし、解析を進めている。 新たな損傷ヌクレオチド認識タンパク質のスクリーニングシステムを確立し、実際に新規酵素RS21-C6を同定解析してこの酵素が哺乳動物細胞で初めてのdCTP分解酵素であることを論文報告した。さらにこの探索システムを利用し、新規のイノシンヌクレオチド分解酵素ならびに新規癌転移関連タンパク質を同定し、学会で報告した。特に新規イノシンヌクレオチド分解酵素については既知の酵素ITPAを欠損したマウスにおけるバックアップ機構としての働きについても解析を進めている。また酸化損傷ATPに強い結合を示すストレスシグナル伝達関連タンパク質を同定し、機能解析を進めている。
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