2007 Fiscal Year Annual Research Report
Notch/NotchLを基盤とした細胞系譜決定と組織構築の分子機構解析
Project/Area Number |
19390115
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
穂積 勝人 Tokai University, 医学部, 准教授 (30246079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 潔 東海大学, 医学部, 教授 (70176014)
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Keywords | Notch / Notchリガンド / 胸腺 / 膵臓 |
Research Abstract |
報告者はこれまで、T細胞の分化環境としての胸腺の役割を分子レベルで理解することを目的として、T細胞分化誘導におけるNotchシグナルの重要性と、シグナルを誘導するNotchリガンドについて研究してきた。 本年度は、D114誘導型遺伝子欠損(D114-floxed)マウスを樹立し、胸腺上皮細胞にてCre遺伝子を発現するFoxN1-Creマウスと交配することにより、胸腺上皮細胞にてD1114遺伝子欠失を誘導し、T細胞分化における胸腺環境内でのD114の役割について検討した。D114-floxed、FoxN1-Creマウスでは、胸腺上皮細胞にてD114の発現が完全に消失する一方、血管内皮細胞では正常な発現を認めた。また、胸腺細胞での活性化Notch1断片の保持比率が顕著に低下し、Notchシグナルの減弱が確認できた。同マウスでは、胸腺内ではT系列細胞がまったく分化せず、代わりにB細胞が異常に出現することが見出した。以上の結果から、胸腺上皮細胞に発現するD114は、胸腺に移行した造血未分化細胞上のNotch1を介してNotchシグナルを誘導し、T細胞分化を促しつつB細胞分化を阻害することが明らかとなった。 また、Mx-Cre、Jagged1-floxedマウスにて、生後、IFN処理を行い、全身性にJagged1遺伝子の欠失を誘導すると、一部の個体にて膵外分泌組織の破壊が認められた。そこでさらに、膵特異的Cre発現マウス(Pdx-Cre、Ptf1a-Cre)を用いて膵特異的遺伝子欠失の誘導を試みたが、Jagged1の発現が認められる膵管細胞(発生期では膵未分化細胞を含む)でのCreの発現および遺伝子欠失効率が十分でなく、現段階では膵発生におけるJagged1の役割は明確ではない。
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Research Products
(3 results)