2007 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオグリカンがつくる統合的細胞外環境とシグナル制御
Project/Area Number |
19390116
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
渡辺 秀人 Aichi Medical University, 分子医科学研究所, 教授 (90240514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
幡野 その子 愛知医科大学, 分子医科学研究所, 助教 (40434625)
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Keywords | プロテオグリカン / 細胞外マトリックス / 糖鎖 / 遺伝子改変マウス / バーシカン / シグナル伝達 |
Research Abstract |
1.Cspg2^<flox/flox>マウス系列とPrx1-Creマウスとを交配させ、間充織特異的にバーシカン発現を欠失するマウスを作製し、解析を行ったところ、同コンディショナルノックアウトマウスは正常に出生したが生後4週頃より後肢の指に変形が出現した。また、ROSA26マウス系列とPrx1-Creマウスとを交配させprx1プロモーターの活性を経時的に解析したところ、生後2週の骨軟骨膜にも発現することがわかった。現在、指の異常の発症機構を探索中である。 2.バーシカンのG1ドメイン内のAサブドメインを欠失したノックインマウスの解析を行い、同マウスが胎生期10.5-出生までの間に心形成不全によって死亡することを見出した。同マウスでは心臓の基本構造の形成に異常はないが、心室壁の拡張と心筋細胞の分化障害が観察され、これに伴う心不全が死因と考えられた。細胞外マトリックス分子に関しては、変異バーシカンとフィブリリンのマトリックスへの沈着低下が見られ、また、BMPシグナル伝達も抑制されていた。バーシカン沈着低下に基づく心室壁の脆弱化とBMPシグナル伝達抑制による心筋細胞分化障害が心拡張の原因と考えられた。TGFbetaの貯留量およびこれら分子のシグナル伝達の異常にもとづく心筋細胞の分化障害が原因と考えられた(論文投稿中)。 3.軟骨細胞のCS合成を司る糖転移酵素群に関して検討し、CSN-アセチルガラクトサミン転移酵素-1(CSGalNAcT-1)がCS合成の鍵を握る酵素であることを明らかにした(Sakai, K, et. al., J Biol Chem., 2007)。 4.本研究に関連する研究成果として、軟骨分化を促進するBMPのシグナル伝達経路を解析し、同リセプターに結合する分子としてSplicing factor 3bを同定した。
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Research Products
(6 results)