2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19390117
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
田中 正人 The Institute of Physical and Chemical Research, 自然免疫研究チーム, チームリーダー (00294059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 靖廷 独立行政法人理化学研究所, 自然免疫研究チーム, 研究員 (10392143)
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Keywords | 細胞死 / 自己免疫疾患 / 免疫寛容 / 貪食 |
Research Abstract |
我々は、MOGを細胞膜タンパクとして強制発現させた細胞株にアポトーシスを誘導し、これをマウスに経静脈的に投与することにより、MOG抗原特異的に免疫寛容が誘導され、EAE発症が抑制されることを見いだした。蛍光色素でラベルした死細胞をマウスに静注すると、脾臓の辺縁帯に集積し、その後速やかに消失する。そこで辺縁帯に局在するマクロファージの消失を誘導できるマウスを作製する目的で、この細胞に特異的にヒトのジフテリア毒素のレセプターを発現するノックインマウスを作製した。このマウス(CD169-DTR mouse)にジフテリア毒素を投与すると、一時的にmarginal zone macrophageのみが選択的に消失した。このマウスにジフテリア毒素を投与して、marginal zoneのマクロファージを選択的に消失させた後、MOG発現死細胞を投与すると、MOGに対する免疫寛容が誘導できず、EAEの発症を抑制できないことが分かった。このことからmarginal zone macrophageが死細胞貪食に伴う免疫寛容の誘導に重要な働きをしていることが分かった。marginal zone macrophage消失状態では、辺縁帯における死細胞のクリアランスは明らかに遅延することが分かった。また、野生型マウスでは投与した死細胞はCD8+DCに選択的に取り込まれるのに対して、ジフテリア毒素を投与したCD169-DTRマウスでは、CD8+DCによる取り込みに加えて、通常ではほとんど見られないCD8-DCによる大量の死細胞の取り込みが観察された。さらにこの異常貧食CD8-DCは死細胞由来抗原を抗原提示し、抗原特異的T細胞の増殖を誘導できることが明らかになった。現在、このCD8-DCの異常貪食と免疫寛容破綻の関連について検討を行っている。
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Research Products
(11 results)