2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19390117
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
田中 正人 The Institute of Physical and Chemical Research, 自然免疫研究チーム, チームリーダー (00294059)
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Keywords | 免疫寛容 / 脾臓 / 辺縁帯 / マクロファージ |
Research Abstract |
我々は、外来抗原を強制発現させた細胞に細胞死を誘導した後にこれを経静脈的に投与することにより、抗原特異的免疫寛容が誘導できることを見いだした。そして辺縁帯に局在するマクロファージの消失を誘導できるマウス(CD169-DTRmouse)において、この死細胞投与による免疫寛容が誘導されないことを示した。このことから、辺縁帯に局在するマクロファージが死細胞貪食に伴う免疫寛容の誘導に重要な働きをしていると考えられる。この寛容誘導の分子細胞メカニズムを詳細に検討したところ、CD8陽性樹状細胞の中で、CD103陽性、CD207陽性の細胞亜集団が投与死細胞を特異的に貪食することが分かった。この樹状細胞亜集団は主に辺縁帯に局在し、死細胞貪食後にT細胞領域に移動する。野生型マウスにLPSあるいはpoly IC等の免疫寛容誘導を阻害する作用を持つ物質を投与すると、この樹状細胞亜集団は一時的に消失し、また本樹状細胞亜集団を特異的に消失させると、死細胞投与による寛容誘導が起こらなくなることから、本細胞は死細胞付随抗原に対する寛容誘導に重要な役割を果たしていることが明らかとなった。現在、CD169-DTRマウスにおける本樹状細胞亜集団の挙動の変化を解析している。またCD169-DTRマウスでは、ジフテリア毒素投与により、リンパ節のsinus macrophageも一時的に消失することが判明した。そこで、死細胞付随抗原に対する末梢での免疫反応における同マクロファージの役割について検討を行っている。
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Research Products
(4 results)