2008 Fiscal Year Annual Research Report
マラリア原虫の赤血球結合ロプトリータンパク質の受容体の同定
Project/Area Number |
19390120
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
鳥居 本美 Ehime University, 大学院・医学系研究科, 教授 (20164072)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大槻 均 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (80403806)
|
Keywords | 原虫 / マラリア / 感染症 |
Research Abstract |
マラリア感染成立には、赤血球への侵入型であるメロゾイとの先瑞部小器官に局在する虫体側リガンドが赤血球側レセプターを認識することが必須である。先端部小器官のロプトリーに局在するRhopH複合体の赤血球表面レセプターでタンパク質を同定することを目的として本研究を行った。本年度は、ヒト赤血球タンパク質をコードする遺伝子のマウスオーソログの検索を試みた。そして592種のヒト赤血球タンパク質から488種のマウスオーソログを選択した。選択した488種のマウス遺伝子をPCR増幅によりRNAポリメラーゼ結合部位・翻訳促進用配列・ビオチン標識用配列を5側に、長鎖の非翻訳配列を3側に付加し、in vitroで転写しでmRNAを調製したところ、455種のmRNAを作成することが出来た。これらのmRNAを用いてコムギ胚芽無細胞タンパク質合成系により、組換えタンパク質を調製したところ、430種のビオチン標識組換えタンパク質の合成に成功した。作成した430種のビオチン標識組換えタンパク質とRhopH3に特異的に反応ずる単クローン抗体mAb#32を用いたAlpha Screen法によってRhopH複合体に結合するタンパク質の検索をおこなった。その結果、PyRhopH複合体との結合を示唆する高い蛍光強度を発する1分子を同定した。RhopH複合体を構成する別のタンパク質RhopH2に特異的に反応する単クローン抗体mAb#25を用いたAlpha Screen法によっても有意に高い蛍光強度が得られた。更に、この反応の量反応関係を確かめたところ、マラリア原虫タンパク質濃度と蛍光強度との間に正の相関が認められた。以上の結果から、PyRhopH複合体に特異的に結合する赤血球側のレセプターである可能性が高く、さらに詳細な解析を継続している。
|