2008 Fiscal Year Annual Research Report
EHECのSubABの標的臓器の解明とその迅速検出法
Project/Area Number |
19390124
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
野田 公俊 Chiba University, 大学院・医学研究院, 教授 (60164703)
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Keywords | EHEC / STEC / SubAB / Stx / 0157 |
Research Abstract |
(1)蛍光色素で標識した精製SubABを作成した。この蛍光標識毒素はちゃんと毒性を保持していた。この毒素の標的臓器を特定する為,これをマウスの腹腔に投与したところ、全例で上部消化管に出血が観察された。この毒素の標的臓器は上部消化管であると推察された。 (2)臨床分離株大腸菌におけるsybAB遺伝子の保有率およびSubAB産生株の出現頻度について解析した。実験方法は、次の3つの手法を用いた。(1)SubAB遺伝子のPCRによる検出法。(2)SubAB毒素の抗体による検出法。(3)SubAB毒素の酵素活性による検出法。使用した臨床分離株のEHEC29株中、全株がStxを産生していた。この中で、2株だけがSubAB毒素を産生しており、検出頻度はStxを産生しているEHECの約7%であった。ETEC、CTEC、EAEC、EPECではStx及びSubAB毒素産生は観察されなかった。 (3)SubAB産生性EHECを効率良く迅速に検出するためのキット作成には、SubAB毒素の酵素活性による検出法が有効であると結論された。 (4)SubABの毒性を阻害する物質のスクリーニングをVero細胞を用いて行った。SubAB毒素と同じAB5型のStxやコレラ毒素に対して強い阻害活性を有するポリフェノール系のHPやAPは、SubABには全く阻害効果を示さなかった。この結果は極めて興味深く、SubABの特異的な性状を示す一因かも知れない。現在、阻害物質のスクリーニングを継続中である。
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Research Products
(5 results)