2007 Fiscal Year Annual Research Report
A群レンサ球菌による炎症惹起メカニズムとオートファジーの調節機構の解析
Project/Area Number |
19390125
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中川 一路 The University of Tokyo, 医科学研究所, 准教授 (70294113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 史人 東京大学, 医科学研究所, 特別教育研究員 (30423122)
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Keywords | オートファジー / 炎症 / Nod like receptor / A群レンサ球菌 / 分解 |
Research Abstract |
上皮細胞に感染したA群レンサ球菌のオートファジーの調節メカニズムを解析するため,細胞内レセプターであるNod-Like receptorであるNLRPの網羅的なノックダウン系を構築して,それらのオートファジーの誘導に対する影響を解析した。その結果,ヒトに約20種類あると考えられているNLRP群のうち,NRLP4とNRLP10の2種が,A群レンサ球菌感染上皮細胞におけるオートファジーの誘導に関与する可能性が示唆された。そこで,これらの分子の部分的欠失体を作成して,上皮細胞内で強発現させることにより,これらの分子の機能部位の特定を行った。Nodファミリーに属するタンパク質は,N末端側に他分子との相互作用を引き起こすPAADドメイン(PYRINドメイン),その後方に相同な分子同士との相互作用を引き起こすNACHTドメイン,C末端側に菌体成分などの認識に関わるLRRドメインといった機能ドメインが存在するが,このうちNACHTドメインを欠失させた変異体では,A群レンサ球菌の感染によって誘導されるオートファジーが有意に減少し,細胞内に侵入した菌の分解が著しく抑制されることが明らかとなった。細胞内で菌体成分を認識して炎症反応を惹起する分子としては,Nod1,Nod2が主要な機能を果たしていることが明らかとなっているが,このうちグラム陽性菌の菌体成分を認識する分子としてはNod2が菌体表層のペプチドグリカンを認識してNF-kBの活性化を誘導することが知られているが,NRLP4,NRLP10の変異体ではNod2による炎症反応の惹起が著しく更新することからこれらの分子は,細胞内で炎症反応とオートファジーによる異物の除去を相互に制御していることが明らかとなった。
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Research Products
(5 results)