2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19390128
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
志田 壽利 Hokkaido University, 遺伝子病制御研究所, 教授 (00144395)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 元 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 博士研究員 (50400023)
張 険峰 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教 (40374681)
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Keywords | HTLV-1 / HIV-1 / ラットモデル |
Research Abstract |
近交系が確立され、遺伝子操作が可能なラットにHIVやHTLV-1が感染できるならば、治療法と予防法の開発に大いに役立つ.ウイルスの増殖に必要なヒト因子の要求性と抑制因子を検討し、同定された因子を発現又はノックアウトするトランスジェニック(Tg)ラットを作成することを最終目的とした。既に、HTLV-1のヒトーラット種間バリアーとして我々はCRM1を同定し、ヒトCRM1を発現するTgラットを既に作成している.又、HIV-1のバリアーとしてCyclinT1を同定したのでCyclinT1 Tgラットを作製した。そこで、今年度はTgラットを用いて、HTLV-1/HIV-1の増殖をin vivo/ex vivoで調べた。そして、以下の結果を得た. 1、ラットの免疫系を回避して、HTLV-1を効率よく感染させるために、新生児への感染と経口感染を試みた.hCRM1 Tgラットでは感染4〜6週迄はWtラットよりも体内ウイルス量が高かったが、その後差がなくなった.このことは、ラットの免疫系がHTLV-1の増殖を抑えている事を示唆している. 2、hCRRM1/hCyclinT1のダブルTgラットのprimary T細胞とマクロファージでは、ヒト細胞に近いHIV-1の増殖が認められた.特に、マクロファージでは感染性のHIV-1が作られた. 3、ラットのT細胞株では感染性の低いHIV-1が生産される.その原因としてウイルス粒子上にEnvタンパクが少なく、生産量が低いか不安定である事が示唆された.
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