2008 Fiscal Year Annual Research Report
HIV感染における細胞性免疫応答と抗原提示とのダイナミクスの解明
Project/Area Number |
19390130
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩本 愛吉 The University of Tokyo, 医科学研究所, 教授 (10133076)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立川 愛 東京大学, 医科学研究所., 助教 (10396880)
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Keywords | HIV / 細胞傷害性T細胞(CTL) / T細胞受容体(TCR) / HLA / 抗原認識 / TCR レパートリー / エピトープ |
Research Abstract |
HIV感染で生体防御に働いている細胞傷害性Tリンパ球(CTD)に対して、HIVは抗原性を変化させることでその選択圧から逃れている。本研究ではHIV抗原(エピトープ)の質の変化と、変化したエピトープに対するCTLの性状に関して解析を行った。HLA-A24 陽性感染者で高頻度に特定のアミノ酸変異が出現する肌A-A24拘束性のNef由来のエピトープに注目し、特異的CTLの性状を野生型と変異型のエピトープを提示する HLA クラス1テトラマーを用いて解析した。多くのA24陽性感染者では変異型エピトープを提示するテトラマーで染色される細胞集団が確認され、変異エピトープを認識するCTLが存在することが明らかとなった。変異エピトープを認識するCTLの性状を明らかにするため、テトラマー陽性細胞のT細胞受容体レパートリーを調べた。その結果、野生型を認識する CTL の TCR レパートリーは多様性に富んでいたのに対し、変異型を認識できる CTL の TCR レパートリーは非常に限られていた。さらに CTL の機能的状態を明らかにするためテトラマー陽性細胞の表面分子の解析を行ったところ、疲弊したT細胞で発現が上昇することが知られているPD-1分子の発現量が、変異エビトープを認識する CTL では上昇していることが明らかとなった。変異を起こしやすいHIV感染において、抗原の質の変化に対応して免疫監視機構は変異エピトープを認識するCTLを誘導するが、そのCTLの種類は少なく、機能も低下しており、HIV の排除に十分機能していないと考えられる。
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[Presentation] Japan and infectious diseases:A histourical view.2008
Author(s)
Iwamoto, A.
Organizer
APRU WorldInstitute Workshop,"Strengthening Public Health Systems in the Pacific Rim:The Role of Research Universities in Responding to Aging & Chronic Diseases, Infectious Disease and Health Security Issues."
Place of Presentation
東京
Year and Date
20080623-25