2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19390143
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
大野 博司 The Institute of Physical and Chemical Research, 免疫系構築研究チーム, チームリーダー (50233226)
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Keywords | 腸管免疫 / パイエル板 / FAE / M細胞 / ケモカイン / CCL20 / M-sec / TNT |
Research Abstract |
本研究の目的は、パイエル板を覆う粘膜上皮FAE(follicle-associated epithelium)に存在する特殊な抗原取り込み細胞、M細胞の発生・分化と抗原輸送メカニズムを明らかにすることにある。 FAEにはケモカインCCL20が発現しており、CCL20の受容体であるCCR6欠損マウスではM細胞が減少していた。そこで、野生型マウスにおけるCCR6^+細胞について検討した結果、FAE直下のバイエル板ドーム領域にはCD11c^+CD19^+のCCR6^+細胞が存在し、この細胞群はCCR6欠損マウスでは減少していた。この細胞群は、B220+IgM^+IgD^+であることから、B細胞サブセットに属する特殊な細胞群であることが示唆された。次にこの細胞群のin vitroでの遊走活性を調べたところ、CCL20に対しては遊走能を示すが、バイエル板内におけるT細胞領域に発現しているCCL19、および(リンパ濾胞内に発現するCXCL13に対しての走化性は認められなかった。また、蛍光ラベルした細胞を野生型マウスに静脈内投与したところ、パイエル板ドーム領域への集積が見られた。以上の結果は、CD11c^+CD19^+CCR6^+細胞がFAEから分泌されるCCL20の作用によりFAE直下へと遊走することを示唆している。 一方、M細胞特異的に発現するM-secのtunneling nanotubule(TNT)形成に対する影響を検討するために、M-secを発現するマクロファージ細胞株RAW264.7を用いたRNAiによるM-secノックダウン実験を行った。その結果、M-secの発現を抑制したRAW264.7においてはTNTの形成が抑えられることが明らかとなった。このことから、M-secはTNTの形成を制御することが示唆された。
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Research Products
(24 results)