2008 Fiscal Year Annual Research Report
表面糖鎖を標的とした成人T細胞白血病に対する抗体療法に関する研究
Project/Area Number |
19390153
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
馬場 昌範 Kagoshima University, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70181039)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有馬 直道 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30175997)
隅田 泰生 鹿児島大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (70179282)
伊東 祐二 鹿児島大学, 工学部, 准教授 (60223195)
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Keywords | HTLV-1 / ATL / 表面分子 / 糖鎖 / 抗体療法 |
Research Abstract |
1.ATL細胞の表面抗原を標的とした抗体療法に加えて,ATL細胞に対し特異的に増殖抑制や細胞死を誘導する,新規低分子化合物の探索を行った。その結果,TNBAAと呼ばれる新規化合物が,ATL細胞特異的に強い増殖抑制効果を示すことを見出した。また,本薬剤はATL細胞に対し,細胞周期をG2期で停止させることが分かった。 2.昨年度に報告した,ハイブリドーマ由来のモノクロナール抗体A19-5が認識する抗原を同定した。A19-5はHLA-DRα分子状のペプタイドと糖鎖の両者によって形成される特有の抗原構造を認識していると思われ,また,HLA-DRα分子を介してATL細胞を凝集させることも分かった。従って,この分子はATLにおいては腫瘍細胞の臓器浸潤などと関連する可能性もあり,あらたな病態解明の糸口になる可能性がある。 3.ATL表面糖鎖の解析に有用な,新しい蛍光性リンカー(f-monoと命名)を開発することに成功した。f-monoは蛍光性を有するので,従来の固定化リンカーを用いた時に比べて千分の1量の微量糖鎖に対して適応でき,MS/MSによる糖鎖の構造解析が可能であり,かつ非特異吸着をほとんど無視できる糖鎖チップを作成できるようになった。 4.ATL腫瘍糖鎖抗原に対する抗体を単離するため,ヒト抗体の安定なフレームとして報告されているハーセプチン(抗Her2ヒト抗体)の,Fv領域の遺伝子のCDR領域にランダム変異を導入した単鎖Fv抗体遺伝子を作製し,これをファージライブラリ化することに成功した。現在,このライブラリを使った糖鎖抗原に対する特異抗体の単離を進めている。
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[Presentation] 成人T細胞白血病細胞表層に特異的に発現する糖鎖解析2008
Author(s)
佐藤昌紀, 時任麻衣子, 濱崎隆之, 馬場昌範, 有馬直道, 伊東祐二, 伊藤浩美, 保木弘道, 成松 久, 若尾雅広, 隅田泰生
Organizer
第28回日本糖質学会年会
Place of Presentation
つくば国際会議場(つくば市)
Year and Date
2008-08-18
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