2008 Fiscal Year Annual Research Report
多戦略的プロテオーム・ペプチドーム解析による消化器癌の早期診断法の開発と実用化
Project/Area Number |
19390154
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
野村 文夫 Chiba University, 大学院・医学研究院, 教授 (80164739)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝長 毅 千葉大学, 大学院・医学研究院, 准教授 (80227644)
曽川 一幸 千葉大学, 医学部・附属病院, 助教 (50436440)
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Keywords | プロテオーム / 2D-DIGE / 肝癌 / CHC |
Research Abstract |
原発性肝細胞癌(HCC)患者10症例の癌部およびその周辺の非癌部組織について,アガロースー2D-OlGEを用いて泳動し,異なった発現を示す蛋白を検索した.解析後のゲルをCBB染色して可視化後,スポットを切り出してトリプシンで消化し,LC-MS/MS分析により蛋白を同定した.蛋白の発現量および局在の確認を行うためにイムノブロットおよび免疫組織化学染色を行った.異なった発現を示したスポットのうち83種の蛋白が同定された.このうち今までHCGとの関連が詳細に検討されていない蛋白を中心にイムノブロット法による発現傾向の確認を行った結果,魏CCにおいて特にclathrin heavy Ghain (CHC)の発現上昇とformiminotransferase cyclodeaminase (FTGD)の発現低下が際立っていた.CHCおよびFTCDの臨床的有用性を確認するために,tlssue mcro arrayを入手してHCC83例および非HCC68例の免疫染色性を確認した結果,"CC診断のための感度・特異度はそれぞれ51.8%・95.6%,61.4%・98.5%であった.さらに,良性の結節・腫瘍との鑑別が困難とされるearly-HCG症例について検討した結果,感度・特異度はそれぞれ41.2%・77.8%,44.4%・80.0%であった. 今回我々はアガロース2D-DlGEを用いて83種の異なった発現を示す蛋白を同定し,そのうち特に際立った変化が認められた2種類の蛋白について特異的な抗体を用いた発現確認を行った.さらにパラフィン切片で良好な染色性を示したCHCおよびFTCDについて,組織診断マーカ-としての有用性を検討した.その結果,進行型HCCのみならず,病理学的診断の困難なeariy-HCCについても非癌部と異なった発現を示すことが確認された.従ってCHCおよびFTCDは組織診断マーカ-として有用であると考えられた.
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