2009 Fiscal Year Annual Research Report
多戦略的プロテオーム・ペプチドーム解析による消化器癌の早期診断法の開発と実用化
Project/Area Number |
19390154
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
野村 文夫 Chiba University, 大学院・医学研究院, 教授 (80164739)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曽川 一幸 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (50436440)
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Keywords | 蛋白質 / プロテオーム / 癌 / 臨床 / 検査医学 |
Research Abstract |
我々はこれまでにSELDI-TOF MSをもちいて、新たな疾患マーカーの探索を行ってきた。しかしこの分野の方法論の進歩は速く、さらに分解能に優れる解析法が登場している。そこで新しいシステムを用いて、発癌の促進因子である過剰飲酒マーカーの探索を行い、合わせて従来法との比較解析も行った。断酒目的で入院したアルコール依存症患者計16名の入院時、3ヶ月後の血清検体を用い、(1)表面増強レーザー脱離イオン化(SELDI)と飛行時間型質量分析計(TOF-MS)を組み合わせたProteinChip^[○!R] system(Ciphergen社)と(2)磁性ビーズとMALDI-TOF/TOF質量分析計を組み合わせたClinProt^<TM> system(Bruker Daltonics社)による解析を行った。その結果ClinProt^<TM> systemにおいて、従来法では検出できなかった3000Da以下の3つのマーカー候補ペプチドをあらたに同定することができた。 血清プロテオーム・ペプチドーム解析により見出されたマーカー候補の臨床応用のためには検体のプレアナリシス因子の検討が必要であり、特に複数施設の検体を用いる場合には採血、血清分離、保存に至る過程を共通のプロトコールで実施することが求められる。そこでMALDI-TOF MS/MSを用いた血清ペプチドプロファイリングにおける採血から血清分離までの時間の影響、凍結条件、凍結融解の影響などについて検討し、血清ペプチドプロファイリングのための至適条件の設定を試みた。血清ペプチドのMSパターンに最も影響する因子は採血から血清分離までの時間であった。これらの結果をもとに多施設共同バリデーションのための共通のプロトコールを確立することができた。
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