2009 Fiscal Year Annual Research Report
中枢神経系におけるメチル水銀耐性獲得の新奇メカニズム
Project/Area Number |
19390159
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
仲井 邦彦 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (00291336)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 洋 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40125571)
黒川 修行 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (30431505)
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Keywords | メチル水銀 / 胎児期曝露 / マイクロアレイ / 遺伝子発現 / 急性毒性 / ストレス応答 |
Research Abstract |
メチル水銀は神経系に対して高い親和性を有しており、さらに胎盤、血液-脳関門を容易に通過するため、胎児の脳の発達に及ぼす影響が懸念されている。このメチル水銀に対して、生体は重金属結合タンパク質(メタロチオネイン)など、様々な防御系を有することが知られているものの、これらの系は曝露に対して比較的短期間の応答を担うものであり、曝露の消失とともに防御系のレベルも沈静化する。その一方で、神経細胞は胎児期に分化した後、多くの場合は生涯に渡って存続し、自己複製しない。このような特性を有する神経細胞では、曝露とその応答の記憶が保持され、2回目の曝露に対して効率よく応答し障害を軽減できる可能性を持つと期待される。このことを検証するため、まずメチル水銀急性ばく露(C57BL/6Cr雄(8週齢)の予備実験を行って実験条件を検討の後に、メチル水銀の胎児期ばく露(在胎12日目-14日目の3日、3mg/kg/day)および成長後(8週齢、単回12mg/kgbw/day)ばく露の二回ばく露実験を実施した。現在までの解析では、急性ばく露では24時間後における遺伝子の変動が大きいこと、また変動した遺伝子群は、炎症、細胞死、発達などの要因と密接な因子であり、そのうち炎症反応のスコアが特に高値を示すことが示された。生体防御系の視点からさらに検討を行う必要があると考えられた。
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Research Products
(1 results)