2007 Fiscal Year Annual Research Report
地域在住高齢者の視覚障害予防:加齢黄斑変性等網膜疾患に対する環境疫学アプローチ
Project/Area Number |
19390166
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
武林 亨 Keio University, 医学部, 教授 (30265780)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西脇 祐司 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (40237764)
石田 晋 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (10245558)
朝倉 敬子 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (40306709)
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Keywords | 網膜疾患 / 環境疫学 / 地域疫学 / 感覚器 / 高齢者 |
Research Abstract |
本研究は、1.地域在住高齢者の感覚器障害の有病率把握とQOLに与えるインパクト評価、2.感覚器機能低下に対する環境危険因子の寄与の定量的評価、3.感覚器機能低下を簡便に把握できるスクリーニングツールの関発と評価、等に関するエビデンス創出を最終目標に掲げる疫学研究である。 本年度については当初の研究計画に基づき、以下を実施した。 1.対象集団の設定および各フィールドにおける調査:(1)群馬県高崎市倉渕町では、370名の対象者に視覚機能(眼底、視力検査等)、精神機能、生活機能、社会機能、紫外線累積曝露量、栄養、ライフスタイル、血圧、血液検査、疾病罹患、服薬状況等多面的機能評価を実施した。これにより844名の対象集団の設定が完了し、本対象集団はコホートとして追跡可能である。(2)長野県小海町においては、当該地域の65歳以上住民全員を対象に感覚器項目を含む健康調査票を配布し、1436名の回答を得た(回答率約90%)。 2.有病率推定:集団代表性の高いサンプル(65歳以上)に対する質関票調査結果より、倉渕地区(回答率96%)においては、視覚に「少し困難」および「たいへん困難」を訴える者の割合は7.8%、2.6%、小海町(回答率90%)では、「メガネをかけても見にくい」者の割合が12.9%であることを明らかにした。 3.視覚障害等感覚器障害がQOLに与える影響解析:Geriatric Depression Scaleを用いた抑うつ度に対しては、男性では聴力低下が女性では視力低下が有意な関連を示した。視力、聴力両者の低下がある場合には男女とも抑うつ傾向との関連を示した。 4.環境要因との関連解析:加齢黄斑変性症と環境要因との関連をサブサンプルについて解析し、血清抗酸化物質レベル、白内障手術既往との関連を示唆した。
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Research Products
(1 results)