2008 Fiscal Year Annual Research Report
地域在住高齢者の視覚障害予防:加齢黄斑変性等網膜疾患に対する環境疫学アプローチ
Project/Area Number |
19390166
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
武林 亨 Keio University, 医学部, 教授 (30265780)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西脇 祐司 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (40237764)
石田 晋 慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (10245558)
朝倉 敬子 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (40306709)
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Keywords | 網膜疾患 / 環境医学 / 地域疫学 / 感覚器 / 高齢者 |
Research Abstract |
地域在住高齢者の網膜性視覚障害をターゲットとした環境疫学デザインによる本研究において、以下の点を明らかにした。 65歳以上の地域在住高齢者であり、感覚器を中心とする多目的健診に参加し、かつ無散瞳眼底写真の撮影ができた719名(男性296名、女性423名)を解析対象として検討した結果、本対象集団での有病率は、早期加齢黄斑変性症32名(男9名、女23名)4.5%、晩期加齢黄斑変性症8名(男6名、女2名)1.1%であった。これは、久山町研究で報告されたものとほぼ一致し、欧米よりも低い値であった。関連を検討した要因の中では、屋外活動時間が長いことおよび血清抗酸化物質レベル低値が晩期加齢黄斑変性症の有病と関連していた。抗酸化物質は、カロテン類、キサントフィル類、プロビタミンA類、カロテノイド類のいずれも統計学的に有意な関連を認め、個々の抗酸化物質単独の影響よりも複合的な影響が示唆された。一方、早期加齢黄斑変性症との明らかな関連を示す要因はなかった。本研究は、加齢黄斑変性症の病因における酸化ストレス仮説を支持する結果であった。 本研究成果は、日本を含めたアジアにおいて初のエビデンスであり、海外誌に掲載された。 (Michikawa T, Ishida S, Nishiwaki Y, Kikuchi Y, Tsuboi T, Hosoda K, Ishigami A, Iwasawa S, Nakano M, Takebayashi T. Serum antioxidants and age-related macular degeneration among older Japanese. Asia Pac J Clin Nutr.2009;18(1) : 1-7.)
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Research Products
(2 results)