2008 Fiscal Year Annual Research Report
OMICSの手法を活用した金属毒性と輸送機構の解析
Project/Area Number |
19390169
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
姫野 誠一郎 Tokushima Bunri University, 薬学部, 教授 (20181117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤代 瞳 徳島文理大学, 薬学部, 助教 (10389182)
宮高 透喜 徳島文理大学, 薬学部, 助教 (50157658)
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Keywords | 衛生 / 環境 / オミックス / 金属毒性 / 金属輸送 / カドミウム |
Research Abstract |
前年度までの研究により、餌からカドミウム(Cd)を長期間にわたって動物に投与した際の、腎臓における遺伝子発現の変化をDNA microarrayを用いて網羅的に解析したところ、glutathione S-transferase (GST)のisoformのうち、GSTA1が顕著に発現上昇することを見いだした。本年度は、メタロチオネインノックアウトマウスに短期間Cdを投与しても同様の変化が起こるかどうか検討した。その結果、腎臓におけるGSTA1の発現がやはり顕著に上昇すること、また、この変化にNrf2の活性化が関与していることがわかった。一方、Cd耐性細胞における遺伝子発現をDNA microarrayによって網羅的に解析したところ、Zn輸送体のうちZIP8, ZIP14の発現が顕著に低下していた。さらにZIP8の発現低下の原因を検討した結果、エピジェネティックな制御が関与していることを突き止めた。つまり、Cd耐性細胞においては、ZIP8のCpG islandがメチル化されることによってmRNAレベルが低下していることを明らかにした。 また、ヒ素毒性に対する生体防御機構をOMICSの手法を用いて検討するため、ヒト尿によるメチル化3価ヒ素の毒性抑制効果の原因となる尿中物質の検索を行った。その結果、ヒト尿中に存在する低分子量で耐熱性の物質が3価のメチルヒ素を5価のメチルヒ素に変換することを明らかにした。この物質を同定するため、現在、メタボノミクス解析の手法を用いた検討を進めている。また、肥満細胞に低濃度のヒ素を4週間作用させると、抗原抗体刺激時におけるヒスタミン放出能力が低下することを見いだした。そこで、肥満細胞にヒ素を作用させたときの遺伝子発現変化についてもDNA microarrayによる検討を行うことにした。
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Research Products
(19 results)