2007 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子多型情報を用いた減塩介入の血圧値と行動に対する影響の評価
Project/Area Number |
19390173
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮木 幸一 Kyoto University, 医学研究科, 講師 (20327498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 健夫 京都大学, 医学研究科, 教授 (70217933)
村松 正明 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (50230008)
福原 俊一 京都大学, 医学研究科, 教授 (30238505)
小杉 眞司 京都大学, 医学研究科, 教授 (50252432)
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Keywords | 高血圧 / 減塩指導 / 遺伝子多型 / SNP / 行動理論 / 行動変容 / ランダム化比較試験 / 質問票調査 |
Research Abstract |
本研究は減塩介入の効果が遺伝子型によって異なりうるのかどうか、またその知見を知った上での減塩介入に対する行動心理学的なアウトカムが変化するかについて検討する研究である。平成19年度は本研究の研究計画書を完成させるとともに学内の倫理審査を受け、京都大学医学部長により承認(平成20年1月9日、受付番号第G-244番)された。また行動変容に関する意識変化を評価するための質問票を作成するための予備調査を行い、人類遺伝学会にて発表した。調査対象は滋賀県下の高校生157名で、無記名自記式の質問票調査を行い、うち152名(96.8%)から有効な回答を得た。一般的な属性やゲノムリテラシーなどを調査したうえで、減塩に対する考え方に関していくつか質問を行い、5件法のリッカートスケールで回答を得、離散量および連続量として評価した。まず遺伝子に関する質問と無関係に、「高血圧の予防のため薄味の食事をしたいと思いますか?」という質問を行ったところ、とてもそう思う・そう思うと答えたものは36.8%であったが、「あなたの遺伝子型で、塩分を取りすぎると血圧が上がりやすい体質であると分かったとき」という条件が加わると上記割合は82.9%に達し、有意差を認めた(p=0.022)。また逆に「上がりにくい体質であると分かったとき」という条件が加わると上記割合は39.5%と有意に少ないことが確認された(p=0.001)。ここで興味深い知見としては、低反応群であると知らされたとしても、知らされる前(はじめの36.8%)に比べて減塩姿勢が悪化していないことであった(p=0.410)。以上の結果は連続量としての解析でも全て再現され、平成20年度からはじまるランダム化比較試験による実際の介入を前に、サポーティブな知見が得られた。
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Research Products
(1 results)