2008 Fiscal Year Annual Research Report
イソフラボン類代謝産物エクオールの産生能別にみた前立腺癌のリスク要因に関する研究
Project/Area Number |
19390176
|
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
森 満 Sapporo Medical University, 医学部, 教授 (50175634)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚本 泰司 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50112454)
舛森 直哉 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (20295356)
|
Keywords | 前立腺がん / リスク要因 / 症例対照研究 / イソフラボン / エクオール / ダイゼイン / ゲニステイン / グリシテイン |
Research Abstract |
イソフラボン類の摂取量が多いことが前立腺がんの罹患リスクを低下させる可能性が示されている。そこで、前立腺がん患者において、イソフラボン類アグリコン(ダイゼイン、ゲニステイン、グリシテイン)とダイゼインの腸内細菌による代謝産物であるエコールの血中濃度を測定して、それらの相関とがんに罹患する前の大豆製品摂取頻度との関連性を検討した。2007年1月から2008年4月までに札幌医大泌尿器科を受診した前立腺がん患者168人を抽出し、除外基準に該当する患者26人を除外した。除外基準と内訳は死亡5人、健康状態不良19人、道外へ転出1人、外国人1人であった。調査対象者142人のうち、120人(83.9%)から同意が得られ、105人(2008年9月現在)の随時採血による血中イソフラボン類濃度をLC-MS法で測定した((株)SRL)。質問紙により前立腺がんに罹患する1、2年前の食物摂取頻度(8段階)を調査した。ダイゼイン、ゲニステイン、グリシテイン、エコールのSpearmanの順位相関係数を計算した結果、エコール以外は互いに有意に相関していた。なお、エコールが測定限界0.5ng/mL未満の者をエコール非産生者とすると、エコール非産生者は63人(60.0%)、それ以外のエコール産生者は42人(40.0%)であった。血中イソフラボン類濃度と前立腺がんに罹患する1、2年前の大豆製品の摂取頻度とのSpearmanの順位相関係数を計算した結果、ダイゼイン、ゲニステイン、グリシテインは納豆の摂取頻度と有意に相関し、エコールは味噌汁の摂取頻度と有意に相関していた。そして、エコール産生者はエコール非産生者よりも有意に味噌汁の摂取頻度が多かった(trend, P=0.041)。血中イソフラボン類アグリコンと納豆摂取頻度が相関したのは、納豆にイソフラボン類アグリコンが多く含まれていることが関係しているのかも知れない。今後、対照群に同様の質問紙による調査を行い、前立腺がん患者群と比較する予定である。
|
Research Products
(3 results)