2007 Fiscal Year Annual Research Report
non-coding RNA分子を包括した、ABO式血液型の発現機構の統合的解明
Project/Area Number |
19390183
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
小湊 慶彦 Gunma University, 大学院・医学系研究科, 教授 (30205512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田島 裕 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (20227078)
中島 たみ子 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (40008561)
高木 利恵 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (70455955)
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Keywords | 遺伝学 / 遺伝子 / 癌 / 糖鎖 / 発現制御 / ABO式血液型 |
Research Abstract |
これまでに,ABO式血液型遺伝子の転写調節には,non-coding RNA分子や転写抑制因子が関わっていることが判明しており,これらにつき,更なる研究を進めた。 ABO遺伝子はエキソン1からと,より上流に存在するエキソン1aからの二つの転写開始点を持っことが判明している。このため,様々なプラスミドベクターを作製し,これらを用いてレポーターアッセイを行い,エキソン1aからの転写がエキソン1からの転写に及ぼす影響を調べた。結果を以下に示す。 1)テトラサイクリン遺伝子発現誘導系を用いてエキソン1aからの転写制御を可能にしたプラスミドベクターを作製し,テトラサイクリン添加によりエキソン1aからの転写を誘導すると,エキソン1からのプロモーター活性が低下した。 2)エキソン1aの下流にpoly A付加シグナル配列を挿入したプラスミドベクターを作製し,エキソン1aからの転写をエキソン1より上流で終止させると,エキソン1からのプロモーター活性が上昇した。 これら1)2)から,上流からの転写産物が下流の転写に影響を与え,転写を抑制する事が判明した。 また,ABO遺伝子のイントロン1からABO遺伝子とは逆方向に転写されるABOAS転写産物を培養細胞内で強制発現させると内在性のABO遺伝子の転写活性が抑制されることが判明した。 現在,エキソン1aからの転写産物とABOAS転写産物がエキソン1からの転写に及ぼす統合的影響を調べており,これらの働きの研究を通してABO式血液型遺伝子の転写調節は解明されると予想される。
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Research Products
(14 results)