2009 Fiscal Year Annual Research Report
血清DNase Iを用いた急性心筋梗塞の鑑別診断に関する法医学的研究
Project/Area Number |
19390184
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
安田 年博 University of Fukui, 医学部, 教授 (80175645)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植木 美鈴 福井大学, 医学部, 助手 (00165656)
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Keywords | deoxyribonuclease I / 急性心筋梗塞 / ELISA / 診断マーカー / 内因性急死 |
Research Abstract |
報告者らは、DNase I活性を高感度に測定できるsingle radial enzyme diffusion(SRED)法を従前の研究で開発した。この方法によって血清中のDNase I活性を再現性・感度良く測定することができ、AMIにおけるDNase Iの診断マーカーとしての利用が可能となっている。しかしながら、SRED法は測定時間が12時間以上必要であり、高感度ではあるが迅速性に乏しく、実用上支障がある。 本研究では、抗DNase Iポリクローナル抗体を一次抗体として、ビオチン化した同モノクローナル抗体を二次抗体としたsandwich ELISA法を開発した。DNase I酵素標品および血清DNase I定量に対する同法のwithin-run、between-run変動および検出感度はそれぞれ3.7-4.4%、4.5-5.5%であり、SRED法に比べ遜色ないものであった。さらに、健常人におけるDNase Iについて、同法によるDNase I抗原量とSRED法による活性レベルは良好な相関性を示した(r=0.839,P<0.001)。特に、測定に要する時間は約3時間であり、SRED法のそれに比して、十分短縮された。このように、血清中のDNase I量を高感度かつ迅速に測定できるELISA法が確立できた。そこで、同法を用いAMI患者の発症後の血清DNase I量を定量した。AMI発症後12時間以内の酵素量中央値(48.9μg/L)は健常人のそれ(36.3μg/L)に比べ、有意に高値であった(P<0.001)。酵素量は発症後の経過時間と共に減少しており、AMI発症血清DNase I量が一過的に上昇したものであることが明らかとなった。さらに、AMI患者における酵素活性レベルと酵素量の経時的変動パターンは類似しており、従って、AMI発症に伴う血清酵素活性レベルの変動は酵素量の変動に起因することが確認された。
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Research Products
(25 results)