2008 Fiscal Year Annual Research Report
法医鑑定における薬物分析のシステム化とフィールドスタディ
Project/Area Number |
19390185
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
工藤 恵子 Kyushu University, 大学院・医学研究院, 講師 (10186405)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 典昭 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (60176097)
辻 彰子 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教 (10171993)
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Keywords | GC / MS / LC / MS / NAGINATA / フィンランド |
Research Abstract |
1)標準物質を必要としないガスクロマトグラフィー・質量分析(GC/MS)によるスクリーニング法の開発 わが国の中毒起因物質の調査結果を元に絞り込んだ約250種類の分析対象薬物のうち、医薬品について、127種の遊離体に加え、156種のアセチル化反応物の薬物情報を、新たに開発されたGC/MS分析のための精度管理・相対定量ソフトウェアNAGINATAを用いて登録し、2種の薬毒物データベースを構築した。このデータベースを用いて薬毒物の添加血液および解剖試料について分析を行ったところ、極めて短時間に正確な薬毒物スクリーニングが可能であることが判明した。本スクリーニング法は標準物質を必要とせずに薬毒物の存在の有無とおおよその濃度が簡単な操作で確認できることから、法医鑑定、鑑識科学、臨床医学の分野で幅広く応用可能と考えられる。 2)フィンランドにおける法医鑑定に伴う薬物分析システムの調査報告書の作成 前年度に行った「フィンランドにおける法医鑑定に伴う薬物分析システムの調査研究」の結果を詳細にまとめて論文として公表した。この調査結果により、わが国の望まれる薬物分析体制についての大きな指針が得られたことは、将来のわが国にとって意義あることと考える。 3)液体クロマトグラフィー・質量分析(LC/MS)による催眠鎮静剤の一斉分析法の確立 催眠鎮静剤およびその代謝物の分析は、薬物が微量であるため困難を伴うことが多い。今年度は計43種の催眠鎮静剤を同時に高感度で定量できる画期的なLC/MSによる分析法を確立して鑑定に応用することが出来た。この方法は高感度であるため犯罪目的で用いられた微量の睡眠薬の検出にも大きな成果が得られた。
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Research Products
(5 results)