2009 Fiscal Year Annual Research Report
法医鑑定における薬物分析のシステム化とフィールドスタディ
Project/Area Number |
19390185
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
工藤 恵子 Kyushu University, 大学院・医学研究院, 講師 (10186405)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 典昭 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (60176097)
辻 彰子 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教 (10171993)
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Keywords | GC / MS / NAGINATA / スクリーニング / 酸性薬物 / 乱用薬物 |
Research Abstract |
1) わが国における中毒発生状況の調査と分析対象薬毒物の絞込み 前年度までに、156種の医薬品および乱用薬物についてガスクロマトグラフ・質量分析法(GC/MS)のためのデータベースを構築した。そこで今年度はデータベースの拡充をすることとしたが、それに先立ち、わが国の中毒発生状況を正確に把握する必要があると考えた。そこで中毒死関連の2つのデータ(科学警察研究所編:薬物による中毒事故等の発生状況、日本法医学会編:鑑定例概要)の2003年から2006年の4年間について中毒起因物質の種類とその出現頻度について調査を行った。 その結果、分析が必要な最重要薬毒物として314種を選定することに成功した。その内訳は揮発性毒物36種、乱用薬物14種、医薬品170種、農薬60種、天然毒13種、その他21種類である。 2) GC/MSよる薬毒物スクリーニングのためのデータベースの追加 上記の研究結果に基づき、薬毒物のデータベースへの追加を試みた。まず候補となる薬毒物約70種類をGC/MSに導入、分析を試みた。その中からGC/MSで分析可能であった塩基性薬物について遊離体30種アセチル化体50種について、保持時間と質量スペクトル、検量線情報をNAGINATAのソフトウェアを用いて登録し、データベースの追加を行った。続いて、酸性薬物約30種類について現在検討中である。 3) 生体試料からの酸性薬毒物の抽出法の確立 非ステロイド性抗炎症薬および大麻の代謝物などのカルボキシル基を含む酸性薬物を効率よく抽出可能な方法を検討した。その結果、Focusカラムを用い、抽出溶媒を工夫することで、効率のよい酸性薬物の抽出法を考案した。
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Research Products
(4 results)