2010 Fiscal Year Annual Research Report
法医鑑定における薬物分析のシステム化とフィールドスタディ
Project/Area Number |
19390185
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
工藤 恵子 九州大学, 大学院・医学研究院, 講師 (10186405)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 典昭 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (60176097)
辻 彰子 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教 (10171993)
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Keywords | GC/MS / NAGINATA / スクリーニング / 農薬 / 酸性薬物 |
Research Abstract |
1) GC/MSよる薬毒物スクリーニングのためのデータベースの追加 酸性薬物30種類、農薬80種類についてGC/MSに導入、分析を試みた。その中からGC/MSで分析可能であった酸性薬物20種、農薬70種について、酸性薬物はTMS化体、農薬は遊離体として、保持時間と質量スペクトル、検量線情報をNAGINATAのソフトウェアを用いて登録し、データベースの追加を行った。これにより、本データベースの登録薬毒物は約300種類となり、多成分同時スクリーニングが可能となった。 2) 生体試料からの酸性薬毒物および農薬の抽出法の確立 非ステロイド性抗炎症薬および大麻の代謝物などのカルボキシル基を含む酸性薬物を効率よく抽出可能な方法を検討した。その結果、逆相-陰イオン交換ミックスモードカラム(OASIS MAX)を用い、抽出溶媒を工夫することで、血液中から効率よく酸性薬物を抽出可能な方法を確立した。引き続き農薬中の抽出法について検討、酸性条件下での液々抽出法とFocusカラムを用いた固相抽出法のいずれにおいても良好な結果を得ることができた。 3) 薬物分析支援のためのネットワークの構築 本研究の成果である薬毒物データベースを用いたスクリーニング法は、12大学の法医学教室を含め17機関で稼働することとなった。そこで、これらのすべての施設での薬毒物検査を支援するため、利用者相互の情報交換を目的としたメーリングリストの立ち上げを行った。さらに分析者の知識と技術の向上を目的とした講習会を開催することで、薬物分析機関を支援するシステムの構築に成功した。
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Research Products
(2 results)