2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規クラズ抗HCV薬開発に向けた抗ウイルス化合物・宿主蛋白の包的探索
Project/Area Number |
19390196
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
坂本 直哉 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, 寄附講座教員 (10334418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 守 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10175127)
陳 正新 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (10376783)
中川 美奈 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 寄附講座教員 (30401342)
井津井 康浩 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, メディカルフェロー (20401341)
柿沼 晴 東京大学, 医科学研究所, 産学官連携研究員 (30372444)
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Keywords | HCVレプリコン / HCV-JFH1培養系 |
Research Abstract |
当該研究期間において我々は、HCV感染・増殖細胞モデルを用いて薬剤・生理活性化合物・短鎖ペプチドの抗ウイルス作用の網羅的スクリーニング、およびHCV増殖に関連する宿主因子の探索を遂行し、以下の結果を得た。(1)HCV増殖を特異的に抑制するシクロスポリンAの標的蛋白であるシクロフィリンに結合する宿主蛋白をTwo-hybrid法により網羅的に解析し、7種の宿主蛋白が同定された。これらのうちFumarylacetate hydroxylaseの発現をsiRNAによりknock downしたところHCVレプリコンの発現が有意に低下した。今回の結果より、同定されたいくつかのシクロフィリン結合蛋白はHCV増殖に関連する宿主因子であることが明らかになった。(2)HCV-Feoreplicon細胞を用いてDiversity-Oriented Synthesis(DOS)法で合成した8,000種の化合物のスクリーニングを施行し、HCV増殖を抑制する41種の化合物を同定し、構造活性相関解析にIC50の優れた5個のepoxide誘導体を同定した。(3)漢方生薬成分化合物の細胞内HCV増殖に対する効果をHCVレプリコンシステムを用いて解析を行い、甘草由来の2種の化合物、isoliquiritigenin、及びglycycoumarinにHCV増殖抑制作用を見出した。今後これらの知見を統合し、HCV感染サイクルにおけるウイルスおよび宿主蛋白相互作用の細胞・分子レベルでの理解を深め、新規クラス抗HCV療法薬剤の開発・実用化に必要な基盤情報の蓄積を到達目標とし引き続き研究を遂行する。
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