2007 Fiscal Year Annual Research Report
肝臓の炎症性発がん初期段階を構築するoncomiR分子の同定と治療応用
Project/Area Number |
19390198
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中本 安成 Kanazawa University, 医学部附属病院, 講師 (40293352)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平工 雄介 三重大学, 医学系研究科, 講師 (30324510)
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Keywords | 癌 / 遺伝子 / マイクロアレイ / 動物 / 内科 |
Research Abstract |
慢性肝炎から肝がんに至るがん化のイニシエーション過程に作用するマイクロRNA(miRNA)分子を同定することを目的とした。これまで確立したB型肝炎ウイルス(HBV)トランスジェニックマウスを用いた炎症性発がんモデルにおいて、前がん状態を誘導する(イニシエーション)過程における遺伝子発現および酸化ストレスの原因分子としてoncomiRの関与を明らかにするために以下の実験計画を実施した。 (1)慢性肝炎モデルの作成:HBVトランスジェニックマウスは、系統107-5D(遺伝学的背景H-2^d)を用いて既報(Nakamoto, et. al.:J.Exp.Med.188:341,1998)のごとく行った。 (2)発現遺伝子プロファイル解析:炎症性発がん過程の初期段階に相当する時期(肝炎6〜9ヵ月目)の発現プロファイルを明らにした。この時期には106個の遺伝子が慢性肝炎から発がんに至る過程(非がん組織)で特異的に変動していることが観察された。また、組織学的に前がん結節(preneoplastic foci)と呼ばれるがん化に向かう細胞集団が出現する時期(前がん状態)に先行していることが分かった。 (3)miRNA分子の分離、検出:マイクロアレイ法を用いて、がん組織において特異的に変動している遺伝子について網羅的にスクリーニングしたところ、発現の亢進を示す4個のmiRNA遺伝子が明らかとなった。 これより(2)(3)の結果を対比することによって、前がん状態での発現プロファイルを制御しているmiRNA候補分子の選択を進めている。
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