2008 Fiscal Year Annual Research Report
肝臓の炎症性発がん初期段階を構築するoncomiR分子の同定と治療応用
Project/Area Number |
19390198
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中本 安成 Kanazawa University, 附属病院, 講師 (40293352)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平工 雄介 三重大学, 医学系研究科, 講師 (30324510)
|
Keywords | 癌 / 遺伝子 / マイクロアレイ / 動物 / 内科 |
Research Abstract |
慢性肝炎から肝がんに至るがん化のイニシエーション過程に作用するマイクロRNA(miRNA)分子を同定することを目的とした。これまで確立したB型肝炎ウイルス(HBV)トランスジェニックマウスを用いた炎症性発がんモデルにおいて、前がん状態を誘導する(イニシエーション)過程における遺伝子発現および酸化ストレスの原因分子としてoncomiRの関与を明らかにするために以下の実験計画を実施した。 (1)発現遺伝子プロファイル解析: 炎症性発がんモデル(Nakamoto et al.: J. Exp. Med. 188:341, 1998)の発がん過程の初期段階に相当する時期(肝炎6〜9ヵ月目)の発現プロファイルを明らかにした。この時期に特異的に変動する106個の遺伝子が構築するパスウェイ解析から、c-Mycの変動とそれに関連する細胞内シグナル経路(ERK/JNK/P38MAPK、PI3K/Akt、NFkB系)の活性化が起こっている可能性が示唆された。 (2)miRNA分子の分離、検出: マイクロアレイ法を用いて、がん組織に特異的な9個のmiRNA遺伝子が明らかとなった。 (3)miRNAによる分子病態の制御: (2)で検出されたmiRNAについて、既報に基づいて標的となる遺伝子候補を検索したところ、(1)での変動遺伝子のうち、各miRNA分子について3〜7個の標的遺伝子が候補として該当することが明らかとなった。 これより、(3)でのmiRNAとその標的遺伝子が制御する細胞内シグナルや機能解析を進めている。
|
Research Products
(5 results)