2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規エピゲノム解析技術の開発と消化器癌の個性診断・個別化治療への応用
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19390201
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
豊田 実 Sapporo Medical University, 医学部, 講師 (70270676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 拓 札幌医科大学, 医学部, 助教 (20381254)
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Keywords | DNAメチル化 / ヒストン / エピジェネティクス / 遺伝子診断 / 個別化医療 |
Research Abstract |
臨床検体におけるDNAメチル化を定量的にかつ高速に解析する目的で、遺伝子多型の検出技術の一つである、Pyrosequence法を利用したメチル化解析を行った。その結果96検体のDNAメチル化を30分で解析可能なシステムの構築に成功した。これまで、約30遺伝子についてPyrosequence法によるDNAメチル化の条件設定を行った。Pyrosequence法により、定量的メチル化解析を高速に行うことが可能になり、前癌病変における定量的メチル化解析による発癌リスク予測への応用が可能になった。 Pyrosequence法を用いて、胃癌において、LINE-1のメチル化について定量的に解析したところ、一部の症例でLINE-1の低メチル化を認めた。LINE-1の低メチル化は、p53変異を有する症例で顕著に認められた。LINE-1をはじめとする繰り返し配列のメチル化レベルは、全ゲノムのメチル化レベルを反映すると考えられ、ゲノム全体の低メチル化により染色体不安定性に関与する可能性が示唆された。 大腸癌細胞株をDNAメチル化阻害剤、5-aza-dCで処理することにより、発現が誘導されるmicro-RNAについて、TaqMan real-time PCR法により網羅的に解析したところ、多数のmicro-RNAの発現が誘導されることが明らかとなった。サイレンシングされているmicro-RNAがDNAメチル化によるものか、さらに確認する目的で、遺伝学的にDNAメチル基転移酵素、DNMT1およびDNMT3Bをノックアウトした、大腸癌細胞株HCT116細胞を用いて、micro-RNAの発現を検討したところ、発現誘導を認めた。以上の結果から、大腸癌において多数のmicro-RNAが異常メチル化により不活化されることが示唆された。
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