2008 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎からの肝発がんに関わる酸化的DNA損傷修復遺伝子群の解析
Project/Area Number |
19390202
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
加藤 淳二 Sapporo Medical University, 医学部, 教授 (20244345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小船 雅義 札幌医科大学, 医学部, 講師 (90336389)
宮西 浩嗣 札幌医科大学, 医学部, 講師 (60372819)
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Keywords | C型肝炎 / 肝発癌 / 酸化的DNA損傷 / SNP / DNA修復酵素 |
Research Abstract |
本研究では、C型肝炎からの肝発癌過程に酸化的DNA損傷の修復遺伝子群の異常が関与するかを検証することを目的としている。平成20年度の検討では、以前にC型肝癌で有意に検出されることを我々が新たに見出したMutyh遺伝子SNP(rsXXXXXXX)のhetero/minor homo形質の持つ意義を検討する目的で、real time PCR法によりRNA発現量を測定し、major homo形質と比較し発現の低下を確認した。一方のアプローチとして、ChIP on chipアッセイにより、HCC発症患者と未発症患者における損傷遺伝子をスクリーニングしたところ、接着分子、転写因子および血管新生因子などをはじめとする101種類の遺伝子が損傷を受けることが明らかとなった。さらに肝のROS産生増加によって肝炎・肝癌を自然発症するLECラットにROS産生抑制剤(ICL-670)を投与し治療実験を行ったところ、ICL-670を20mg/kgおよび30mg/kg投与で肝炎の鎮静化が得られることが明らかとなった。これらの結果はMutyh発現異常により各種の遺伝子損傷が惹起され発癌にかかわることを示唆し、易発癌者の囲い込みならびにMutyh発現是正による発癌抑制治療の可能性そしてROS産生抑制剤による発癌抑制治療の可能性を示したものと考えられる。
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