2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19390203
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Research Institution | Tokyo Kasei University |
Principal Investigator |
宮坂 京子 Tokyo Kasei University, 家政学部, 教授 (90166140)
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Keywords | 遺伝子 / 栄養学 / タンパク質 / 内科 / ゲノム |
Research Abstract |
膵外分泌腺再生の試みはあまり行われていない。本研究では、膵臓の幹細胞から膵外分泌細胞を再生させることではなく、残存しているわずかな膵外分泌細胞の機能をよみがえらせて、膵外分泌機能の回復と改善を望むための手段を探索することを計画した。基礎実験ではラスシグナルに関係する分子の発現を調節することにより目的を達成できる可能性が示唆された。 ラスシグナルに関係する分子をノックアウトしたマウスは、膵外分泌亢進、膵臓内酵素含有量増加、胆汁酸分泌増加、エネルギー代謝亢進、インスリン感受性亢進、耐糖能、食事誘導性肥満に抵抗性を示した。分子機序として、脂質代謝酵素の変化が関与している可能性が考えられた。 一方、我々は、インスリンの細胞内情報伝達を抑制するSHIP2タンパクを過発現させたトランスジェニックマウスを作成した。このマウスは、高脂肪食の投与によって、むしろ、インスリン感受性が改善するという、予測に反した表現形を呈した。分子機序は、やはり脂質代謝酵素の遺伝子発現レベルの変化が関与していると考えられたが、確定するには至らなかった。 高脂肪食による肥満誘導に抵抗性を示す点で、ラスシグナルに関係する分子をノックアウトしたマウスとSHIP2過発現マウスは共通していたことから、SHIP2過発現マウスで、ラスシグナルに関係する分子の遺伝子発現を調べた。結果は、肝臓、脂肪組織、膵臓において、遺伝子発現はわずかに上昇傾向を示したが、有意差をえるには至らなかった。
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