2009 Fiscal Year Annual Research Report
ホスホリパーゼA2を基盤とする心血管病の成因解明と新しい予防・治療薬の探索
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19390209
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
久木山 清貴 University of Yamanashi, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (00225129)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川端 健一 山梨大学, 医学部附属病院, 講師 (30345706)
齊藤 幸生 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教 (50377511)
小林 剛 山梨大学, 医学部附属病院, 医員 (40402052)
手塚 英夫 山梨大学, 総合分析実験センター, 准教授 (70155456)
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Keywords | 心筋梗塞 / ノックアウトマウス / 分泌型ホスホリパーゼA / 炎症 / 脂質メディエーター |
Research Abstract |
アラキドン酸カスケードによって産生される脂質の多くは動脈硬化、血栓、炎症の惹起因子・増悪因子であり多くの心血管病の発症・病態に深く関与している。Phospholipase A_2(PLA_2)はアラキドン酸カスケードの最上流に位置する酵素である。本研究では、PLA_2の心血管病への関与を網羅的に解明し、PLA_2を標的とする有用な心血管病予防・治療薬を開発することが目的である。平成21年度は以下のことを明らかにし既に学会・専門雑誌に報告した。V型secretory PLA_2ノックアウトマウスに心筋梗塞を作成し、その程度を野生型マウスと比較検討した。その結果、V型secretory PLA_2ノックアウトマウスでは心筋梗塞の範囲が有意に低下し、心臓超音波検査上も心機能の低下が抑制されていた。V型secretory PLA_2は心筋そのものに発現し、梗塞後の残存心筋に強発現した。野生型に比べてV型secretory PLA_2ノックアウトマウス心筋においては、アラキドン酸由来の炎症惹起因子であるトロンボキサンおよびロイコトリエンの組織濃度が有意に低下していた。V型secretory PLA_2はIV型PLA_2と関連しながらアラキドン酸産生を行うことが知られている。そこで、V型secretory PLA_2活性を抑制した場合、V型secretory PLA_2ノックアウトマウスと野生型にて心筋梗塞の程度がどのようになるか検討した。IV型PLA_2活性阻害剤投与下においては、V型secretory PLA_2ノックアウトマウスと野生型にて心筋梗塞の程度には有意な差は得られなかった。心臓超音波検査上も心機能の低下も同等であった。これらのことから、V型secretory PLA_2は心筋梗塞の病態に深く関わり、その作用機序の下流にIV型PLA_2が働いていることが示された。
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Research Products
(3 results)