2009 Fiscal Year Annual Research Report
間質性肺炎・薬剤性肺障害の臨床像とゲノム解析の日欧比較研究
Project/Area Number |
19390224
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
河野 修興 Hiroshima University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80215194)
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Keywords | 間質性肺炎 / バイオマーカー / 薬剤性肺障害 / 人種差 |
Research Abstract |
最終年度である平成21年度は,ドイツ(Ruhrlandクリニック・Urlich Costabel教授)と連絡を取り合い,国際共同研究の総括を行い,現在までに大きく以下め4つのことを明らかにした. 1) 日本人は欧米人と比較して,慢性過敏性肺炎の頻度が高いこと. 2) 血清KL-6値は,日本人と比較して欧米人において呼吸機能検査と強い相関を認めること. 3) 血清KL-6値は,日本人と比較して欧米心において軽度ながら有意に高値を示し,日本人と欧米人では異なるカットオフ値の設定が必要であること. 4) マイクロアレイを用いた日本人の間質性肺炎患者約25症例の網羅的発現解析の結果からは,慢性過敏性肺炎と特発陶間質性肺炎の発現プロファイルは大きくことなるが,特発性肺線維症と非特異的間質性肺炎の発現プロファイルは非常に似通っているものであること. 以上のように非常に興味深い結果が得られてはいるが,研究の過程で,以下の問題点があきらかになった. 1) 薬剤性肺障害の症例の集積が容易ではなく,統計解析が可能である数の症例を期間内に集積できなかった. 2) 日本と欧洲では血清,気管支肺胞洗浄,誘発喀痰などの検査の方法が若干異なること. 3) 年齢・性別がマッチした健常人における日欧比較が行われていないこと. 4) 欧州では開胸肺生検が一般的ではない反面,日本と比較して治療の選択肢として肺移植が用いられる頻度が多いこと. 今後は,以上の問題点を踏まえ,新たな共同研究者に加えた上で前向き試験を計画中である.また,血清KL-6値の人種的な差異に関しても,多数症例での分子レベルでの解明を行っている所である.
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Research Products
(8 results)