2007 Fiscal Year Annual Research Report
肺損傷と再生における末梢気道の役割とナノテクノロジーをもちいた治療法の研究
Project/Area Number |
19390225
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
桑野 和善 Jikei University School of Medicine, 医学部, 教授 (40205266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前山 隆茂 九州大学, 大学病院, 助手 (40380456)
浜田 直樹 九州大学, 大学病院, 医員 (00423567)
山本 浩充 愛知学院大学, 薬学部, 准教授 (30275094)
川島 嘉明 愛知学院大学, 薬学部, 教授 (30082978)
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Keywords | 細気管支上皮細胞 / 肺損傷 / 肺線維症 / ナノテクノロジー / 幹細胞 |
Research Abstract |
1.具体的内容 マウスにおけるブレオマイシン肺臓炎モデル、抗Fas抗体吸入モデル、ナフタレンモデルを用いて、laser microdissectionによって細気管支上皮細胞のRNAを選択的に抽出した。microarrayを行うためにRNAの質の確認等行い、現在解析中である。結果に応じて、蛋白発現も検討することによって、細気管支上皮細胞の損傷・修復・再生過程における重要な因子の役割を解析するため、免疫組織染色、westernblotに用いる蛋白も抽出した。また、併行してナノスフェアにsiRNAあるいはペプチドを封入し、培養気道上皮細胞を用いて、invitroにおける損傷、修復、再生に関する発現と機能の確認を行っている。 2.意義 第一に、肺の再生メカニズムを明らかにすることが肺上皮細胞のアポトーシス、肺損傷・線維化という負のスパイラルを断ち切る根本的治療になりうる。アポトーシスに関する因子が重要なターゲットとなる。第二に肺の発生過程における肺幹細胞の分化制御因子を標的に選択した点である。アポトーシスの制御とともに再生を促すことができれば有用な治療となりうる。第三に、遺伝子治療のベクターとしてウイルスを使用していない点である。ウイルスを用いた治療はリスクを伴うため、non-viral transferは望ましい手法である。 3.重要性 細気管支上皮の損傷と再生の疾患における重要性や、細気管支上皮細胞や、肺胞上皮細胞の再生に関わる分子が明らかになれば、これらを標的とした治療、たとえば遺伝子治療への応用、幹細胞による肺再生医療と組み合わせたcombination therapyなど様々な治療応用の可能性を広げることが期待される。
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Research Products
(4 results)