2007 Fiscal Year Annual Research Report
長期透析合併症のゲノミクス・プロテオミクス解析による機序解明
Project/Area Number |
19390230
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
風間 順一郎 Niigata University, 医歯学総合病院, 講師 (10345499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成田 一衛 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (20272817)
山本 卓 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (70444156)
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Keywords | ゲノミクス / プロテオミクス / 慢性腎不全 / アミロイドーシス / 透析療法 |
Research Abstract |
本研究は、遺伝子とその主産物である蛋白の両面から解析することによって、長期透析症例に発生する種々の合併症の原因を究明し対策を確立することを目的としている。 申請者らの関連する新潟県内では、その黎明期から腎臓専門医による細心な維持透析管理が行われてきた。このため、本県の透析施設では20年以上に渡って維持血液透析療法を受けている長期透析患者の比率が8.5%に達し、世界的に見ても例をみない際だった高さを示している。その結果、透析アミロイドーシス、ミネラル・骨代謝障害(CKD-MBD)、動脈硬化による心血管疾患など、長期透析に伴う合併症を併発した透析患者数も増加してしまった。これは長期透析合併症の研究を行うには最も好適な環境であるともいえる。 これらの背景のもと、申請者らは透析症例の詳細な臨床データと遺伝子を収集し、これに実際に起こっている臨床症状やサロゲートマーカーである血清蛋白などのプロフィールを投影することによって病態や治療反応性などを説明しようとするプロジェクトを遂行している。 本年度は、10年未満と10年以上の透析歴を有する長期透析患者の前向き疫学研究を行い、それぞれの集団における予後因子を解析し報告した(Clin J Am Soc Nephrol, 2007)。また、血清リン濃度が透析患者の短期/中期生命予後や二次性副甲状腺機能亢進症の進展、そしてそれに対する薬物治療の効果へとそれぞれ大きな影響を与えていることを大規模臨床検査(Ther Aphe Dial, 2008)や多施設共同介入試験(J Bone Miner Metab, 2008)で明らかにした。更に、長期透析者におけるミネラル代謝異常と動脈硬化を繋ぐミッシングリンクである可能性を持つAHSGについての臨床検討も開始した(Int Med, 2007)。
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Research Products
(11 results)