2008 Fiscal Year Annual Research Report
長期透析合併症のゲノミクス・プロテオミクス解析による機序解明
Project/Area Number |
19390230
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
風間 順一郎 Niigata University, 医歯学総合病院, 講師 (10345499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成田 一衛 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (20272817)
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Keywords | 長期透析合併症 / 骨代謝 / 顕微コンピュータートモグラフィー / バーチャル3次元空間解析 / 非侵襲検査 / 透析アミロイドーシス / 胆石症 / 血尿 |
Research Abstract |
本年度は、予定通り我々が確立した維持透析患者の臨床データベースを基盤として、副甲状腺機能・カルシウム/リン代謝異常を中心とした長期透析合併症の背景・原因因子の解明、そしてその評価について積極的な解析を行った。本年度の最大の進歩は、カルシウム/リン代謝異常の主要表現系である骨代謝異常の解析に、世界で初めて顕微コンピュータートモグラフィーと画像解析的手技を導入し、これを客観的かつ定量的に評価することに成功したことである。顕微コンピュータートモグラフィー撮影とバーチャル3次元空間におけるデータの解析は、将来における検査の非侵襲化を視野に入れた技術開発であり、医療へのフィードバックが大きく期待される。また、本邦が世界をリードする技術分野の応用であり、国際競争力の観点からも意義深い。なお、このたび得られた透析患者骨の顕微コンピュータートモグラフィー画像解析結果は、2006年に提唱された生検骨組織評価法の新しい国際基準め妥当性を骨梁の構造特性の観点から理論的に裏付ける結果ともなった。従って、この意味でも有意義な研究成果である。この他に、臨床データベースからは長期透析患者の骨関節障害と透析アミロイドーシスの緊密な関係が確認された。また、胆石が透析合併症の一つであること、血尿が骨代謝異常のリスクファクターであることなどもこの一連のデータ解析の一部として初めて判明し、それぞれその病態生理学的メカニズムの考察を付記して学術誌に報告した。
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